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夏川side




俺が推測を話すと、片岡はあっさりと認めた。

まぁ別に、俺には関係ねーしな。

俺以外の誰かが気づくのも時間の問題だろーな、とは思うけど。




「こんな計画でよく大丈夫だって思えたな、尊敬するわ」


「多少の綱渡りはあったけど、勝算はあったんだよ?」


「どうでもいいけど、それってどこまで視野に入れてんの?」


「涼太の彼女になりたい。それがどうしたの?」




そんな言い訳じゃ、三流のファンと言ってること同じだぞ……

幼馴染みとして常に隣にいるんだから、仕込まなくても振り向いてくれる気もするけど。


………いや一ノ瀬には無理だな。あいつの無念さは死ぬほど極められてるから。




「…………こそ、」


「え?」


「そっちこそ、涼太と最近仲良くしてるじゃん。好きなんじゃないの?」


「はぁ?」




過剰なリアクションだったかもしれない。けどそれぐらい片岡の言葉に驚いた。



……………俺は一ノ瀬のことが、好き…………………?

ないない。

確かに一ノ瀬はかっこいいし、表情を崩せさえすれば可愛いし。

だからって、“好き”なんて言う発想になるかねぇ……




「もしかして俺に妬いてる?」


「してない。そんなキモい顔しないでよ」





随分とストレートに心臓に刺さる。

俺、一応ミスターコン2位なんだけど。いや一ノ瀬はトップか。




「邪魔してこないでよね、私は勝てることしかしないから」


「残念、俺は一ノ瀬の表情が見たいんだ。好いてるとかじゃねぇ」


「えっと、それが好きってことなんじゃない?もしかして無自覚?」




片岡、いつもの純真無垢な性格はどこ行ったんだよ。

それとも俺だけにそうだったりしてな。お前、俺のこと好きなんじゃねーの?(嫌味)





ガラッ




一ノ瀬が入ってきた。

何も知らないような、涼しい顔をしている。




「夏川、もう片付け始まるって。夕梨も、総務班が探してたよ」


「わかった!ありがとね!」




片岡は裏表無さそうな笑顔を貼り付けて、ドアから消えて行った。

一ノ瀬にこだわりはねーけど、あいつの彼女が片岡になるのは癪だ。




「夏川も戻ろ。どこ行っても居ないから慌てたよ」


「お、おう……」




どこ行っても居ないから、か。






一ノ瀬涼太、20メートルシャトルランの記録、53回。


……息が切れててもおかしくはねーんだけどな。

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ろぐ(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとうございますっ……部活が思いの外忙しくてなかなか更新できていませんが完結させる予定なので、応援して頂けると嬉しいです(´∀`) (2020年7月30日 23時) (レス) id: 094eb64ef2 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - わ〜とても雰囲気が好みです…。執筆頑張って下さい…! (2020年7月30日 12時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろぐ | 作成日時:2020年7月18日 23時

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