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夏川side
体育祭前日の今日、俺含め大勢の救護係が死屍累々としていた。
死ぬほど働いた。まさに想定外。
校庭や校内の掃除とかテント張りなんかは、完全に救護班の分野じゃねぇ
と一ノ瀬に言ったら、「他の係はもっと忙しいからね」と涼しい顔で流された。許せない。
「お疲れ。こういう仕事があること、言ってなかったね」
「言われててもやる気失せてたな」
先生が最後の説明をしていく。
もちろん重要事項の確認だけだから、聞かなくても大丈夫なやつ。
「涼太、終わった?一緒に帰ろ!」
「夕梨、」
そう言って片岡は、ドアからひょこっと顔を出した。
いつも一緒なのでその距離感に同学年は慣れているし、一ノ瀬に手出しし難いことを知っている。
「救護班、どんな感じなの?」
「楽しいよ。総務班は?」
「超忙しい!!」
「そっか」
だが、一ノ瀬にガチ恋している後輩は目の敵にしているようで。
現に今も、片岡を睨んでいる奴が数人いる。
顔目当てで入るのはよくても、それで片岡を睨むのはアウトだろ。
まぁ安心しろ、片岡の二つ名は『一ノ瀬の姉』だからな。
「あ、あの!一ノ瀬先輩!」
「ん、何?」
「こっ、この後、残ってくれませんかっ……?//////」
「何か残ってたっけ。それともわかんないところでもあった?」
…………お前、何も考えなさすぎじゃねーの?
今のはどう考えても告白ルートだろ!?それぐらい察してやれよ!!!!
俺男子だけど全女子を代表して俺が思ってるよ!!!!
「ごめん、今日は用事があるんだ。明日でよかったら明日でいい?」
「は、はい……」
この間にも表情を一切変えない一ノ瀬。
お前の表情筋は鋼鉄かよ。もっと動かしてやってやれ。
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片岡夕梨
女。3年2組7番。
陸上部エース。
一ノ瀬の幼馴染み。『一ノ瀬の姉』という二つ名が付いている。
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ろぐ(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとうございますっ……部活が思いの外忙しくてなかなか更新できていませんが完結させる予定なので、応援して頂けると嬉しいです(´∀`) (2020年7月30日 23時) (レス) id: 094eb64ef2 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - わ〜とても雰囲気が好みです…。執筆頑張って下さい…! (2020年7月30日 12時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろぐ | 作成日時:2020年7月18日 23時