82 ページ35
＿Aside
どうやら彼の狙いはマルコよりも私らしい。
軍艦はマルコに任せる事にして、目配せで合図を送った。
｢お嬢ちゃん…あー、Aちゃんだっけ。さっき飛んでたのって、不死鳥マルコじゃなくて、アンタ？｣
｢そうだって言ったら？｣
｢Aちゃんの能力ってさ…。｣
近付いてくるほど、周囲の気温が下がっていく。
思わず後退り、少し距離を取った。
｢はは、そんなに警戒されてると傷付くなァ。別に何もしねェよ。捕まってくれるんならだけど。｣
｢嫌って言ったでしょ？｣
背中を嫌な汗が伝う。
いつでも抜刀出来るよう、柄に手をかけた。
｢で、その能力の事なんだけど、不死鳥と同じって事はねェよな。｣
｢それが聞きたいだけ？｣
｢まァ、捕まってくれるんなら一番嬉しいんだけどさ、ちょっと情報が入ってさ。帰る所って言ったけど、本当はアンタを探してたんだ。Aちゃんの能力の事、教えてくれない？｣
｢はいそうですかって、素直に教えると思う？｣
｢んー…教えてくれたら嬉しいんだけど。手荒な真似はしたくないし、アンタを傷付ける気はない。｣
｢それは嬉しいけど、貴方の前で能力は使わないわ。｣
何故海軍が私の能力の事を知りたがっているのか。
その理由は、自分が一番よく分かってる。
親切な花屋のおじいさんに教えてもらってたから、気を付けてはいたけど。
海軍に目を付けられているなら、そろそろ話しておかなきゃいけないわよね。
加護の事はロジャー船長やシャンクスが知っているけど、オヤジ達には何も話してないし。
…マルコやイゾウにさえも。
きっと海軍は、加護とそれに相反する力が欲しいのだろう。
私の翼があれば、悪天候だって気にせず航海が出来る。
加護を授ければ、私がいなくてもそれは叶う。
相反する力…それを海軍の敵である海賊に授ければ、その海賊は海に出る事が出来なくなる。
水を操る能力だって、能力者対策に打って付けだ。
要は、私を海軍にとって都合のいい人形にしたいって事でしょう？
傷付けたくないのだって、私が嫌えば海に嫌われてしまうからでしょう？
なら情報を与えず、追い返してしまった方がいい。
これが終わったら、オヤジに全部話す。
｢…あーあ、軍艦沈められそうじゃん。仕方ねェ、今回は黙って帰るかァ。今度会ったらデートでもしようよ。｣
｢嫌。じゃあね。｣
クザンに蹴りを入れ、子モビーから叩き落とした。
波しぶきが上がらないから、凍らせて無事なんだろうけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 一緒にイゾウ沼にずぶずぶになりましょう！！！(助ける気なし) (2020年11月27日 21時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - イゾウ様がとにかく最高すぎてムフムフニヤニヤデレデレが止まらないです(もはや変態。助けて下され。) (2020年11月26日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» ワンピはイケオジたくさんいますよね！んーー、ちょっと構想練ってみましたけど、思いつきません笑短編集でなら書けそう...？ (2020年11月15日 23時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - レイリーさん、やっぱり最高すぎる笑笑なにあの、紳士！いけおじ！紳士の塊！ほんと最高かって。ルイさん、レイさんオチの小説書いてくれません笑？それか同じイケオジなら、ベンさんでもいいかもっ！どちらも小説ないですから汗 (2020年11月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 哀羅さん» 可愛いですよね！双子はお互い恋愛は自由だと思いつつ、目に付いてしまうとお互いに嫉妬心出ます笑 (2020年11月8日 21時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨音 | 作成日時：2020年10月30日 20時
