雫が四十三粒 ページ45
私は、この世界の者ではありませんでした。
元々は違う世界にいて、其処には異能力も武装探偵社もましてやポートマフィアもありません。
私とAはその世界に居たとき、親や親戚、学校の奴等に虐めや暴力を振るわれていました。
ある時は腹や背中を殴られ、ある時は煙草の火を擦り付けられ、ある時は包丁で死なない程度に刺され、ある時は毒を呑まされ、、、上げればきりがありません。
私はAと小学校の時に出会いました。
私達はずっと一緒にいました。どんな時も。
でも、高校になって暫くたった頃、私はAとのある約束を破ってしまった。
どんな時も側に居るという約束をしていたのに、守れなかった。
クラスはバラバラ、Aに会いに行こうとすると彼奴らが邪魔をする。
それが何日か経ったある日の事でした。Aが、学校の屋上から飛び降りて、自"殺しました。
私のせいで、私が約束をちゃんと守らなかったから、
「違う!!約束を先に破ってしまったのは私!琴音はずっと守っててくれてた!!」
、、、有り難う。でも、それでも私は貴女との約束を破ってしまった。その事実は変わらない。
「っ!!」
、、、その後、私は貴女を失って、全てが本当にどうでもよくなってしまった。
Aが自"殺した数日後、私は道路でトラックに轢かれて死んだ。
死んだ筈だったんだけど、私はある神と名乗る女性に呪いをかけられ、この世界に送られた。
その呪いは、一日に一回、Aを虐めないと身体に傷が一つずつ付いていくものだった。
いや、それだけなら良かった。だけど、それだけじゃない。一週間、貴女を虐めなかった場合、私は呪いに身体を乗っ取られ、貴女を殺そうとするようになる。
そしてもう一つ、私のこの呪いが解けるまでこの世界がAを消そうとする、謂わば、殺そうとする。
だから私は、武装探偵社に入ってAの側にいた。
Aを、守る為に。
ぶりっ子の真似をしたのは警戒してもらうため。万が一の事を考えて、ね。
因みに、私がAを傷付けた記憶は本当に無い。
「そりゃそうだよ。だってその時の君は彼女に乗っ取られていたんだからね。」
やっぱりですか。
流石乱歩さんですね。
彼女というのは私をこの世界に連れてきた張本人の事です。
でも、私はAを傷付けた。それは紛れもない事実。
私自身、それがどうしても許せなかった。
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狼狐(プロフ) - 必殺!一気読み!!▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと?って思ってましたがこーゆーこととは・・・・!納得です★あぁ、続きが見てぇ・・・ (2022年2月12日 17時) (レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか?(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい!見たいです!!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます! (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(?)この作品を作ってくれてありがとうございます…!こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ココナさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ