雫が三十九粒 ページ41
琴音の髪が短くなってしまった原因は太宰だった。
まだ琴音が凛としていたとき、太宰はAを傷付けた凛を嫌っていた。
仲間だから、ではない。
"好きな人を傷付けたから"、だ。
前から太宰はAのことが好きだった。
それが何時からなのかは分からない。ただ、いつの間にか好きになっていたのだ。
何処からか来たのか分からない少女。
いきなり彼女はやって来た。それも空から。
太宰や他のみんなを最初から彼女は知っていた。最初は警戒のために近付いていただけ。
なのにいつの間にか太宰は彼女に惹かれていった。
彼女のその素直さに、優しさに、時折見せる儚げな雰囲気に、全てに惹かれていった。
彼女との居るだけで嬉しくなり、彼女と話していると楽しくなり、彼女が笑うとドキドキしながらも幸せになる。
太宰はAと居るときが一番の楽しみになっていった。
だけど、凛が来てからAは太宰にあまり構わなくなっていった。
声をかけてもAは凛のことを考え、太宰を二の次にしていった。
それが太宰にはどうしても気に食わなかった。
しかも凛はAを傷付けた。
それに自分とAとの時間を少なくした。
それが太宰にはどうしても許せなかったのだ。
だから太宰は凛に様々な嫌がらせという名の虐めをしてしまった。
太宰は自分のことが好きだという女を使い、凛に様々なことをした。
ある時は凛の髪を切り、
ある時は凛の住んでいる住所を女好きの男に送ったり、
仕事を押し付けたり、
時には朝まで終わらなさそうな仕事を押し付けた時もあった。
それなのに凛はなにも言わなかった。
ただ、何時も道理ニコニコ笑っているだけだった。
それが太宰には気に食わなかった。
何故言わない？
何故怒らない？
何故泣かない？
何故悲しまない？
分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない
太宰には意味が不明だった。
そして、それが心底ムカついていた。
太宰はまた一つ溜め息を溢し、そっと中原の家に入って行った。
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狼狐(プロフ) - 必殺！一気読み！！▼狼狐は一気読みを繰り出した▼ ←マジです。1時間で読み終えました(遅)感動し過ぎで泣きました。最初悪女に成り切れない悪女ってどゆこと？って思ってましたがこーゆーこととは････！納得です★あぁ、続きが見てぇ･･･ (2022年2月12日 17時) (
レス) id: 563f93d61f (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 感動のあまり、涙が……泣けました。コレってアニメ化しないんですか？(冗談です)続編が見たいです。あ、でも、コレで終わりってなるのも味的に良いかも……うあ、でも…………見たい！見たいです！！！ (2021年7月3日 15時) (レス) id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 味付けのりぃさん» そう言って下さり有り難うございます！ (2019年8月9日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
味付けのりぃ - あああぁぁぁ…まじで涙出たぁぁぁぁ…いい話すぎる(？)この作品を作ってくれてありがとうございます…！こんなん泣くしかねーわ(( (2019年8月9日 1時) (レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 557*ｺｺﾅさん» この作品を読んで下さり有り難うございました!! (2019年7月29日 13時) (レス) id: 4f3f949d42 (このIDを非表示/違反報告)
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