ワガママ (ページ10)

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＿＿岸

異様な光景だ

隣には、Aがいて

目の前には、海人・廉・紫耀がいる

おまけに隣の幼なじみはご機嫌ななめだ

岸「················A、そろそろ機嫌なおせって」

『············うるさい』

はあ、ダメだ

Aは1度機嫌を損ねると結構戻るのに時間がかかる

廉「いや、ほんと単なる悪ふざけのつもりやって、、」

『············度がすぎます』

海「あ、なんか飲みましょ！俺はー、」

『············とっくに頼んでるんで』

「············ごめんね」

『···········え』

どうにか機嫌を取り戻そうとする2人に対して

紫耀はAに頭を下げた

「さすがにやりすぎた。気分悪くしちゃってごめんね」

『···············あの、私も、すみません、』

唖然とした

長年の付き合いの俺でさえも喧嘩の後、Aの機嫌をなおすのに早くて2～3日かかるのに、

紫耀はものの一瞬でAの笑顔を引き出したから

『··············お2人も、すみません、きつく当たってしまって、』

廉「······いや、俺らこそすんません」

海「俺らが悪いから！ごめんなさい！」

「岸くんも、ごめんね」

岸「·····あ、いや！俺は！別に！！」

「·············じゃあ、気を取り直して、」

紫耀は、目の前にいるAへ目線を向ける

「平野紫耀です。よろしくね」

『A、Aです、』

岸「·············」

2人のやり取りをただ見つめる俺達

なんだろう、

普通に自己紹介してるだけなのに入っていけない空気感がそこにあった

「··········で、この2人が」

黙っている俺たちを不思議に思ったのか

隣の廉と海人にも話を振った紫耀

『よろしくね。Aです』

その時には完全に、笑顔のAがいた

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