ワガママ (ページ31)

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＿＿神

待つこと10分

消えていった扉からさっきの子が出てきた

神「·····ねえ！」

『·····ん？私、ですか？』

神「ごめんね急に。その、、なんで嘘ついたの？」

自分でもこの行動にビックリしてる

急に話しかけて、変なこと聞いて。

でも体が勝手に動くってこの事なんだってくらい、

無意識に口走った

神「·······知り合いだった、とか？」

『············あの子、まだ高校生だったから』

神「·····え？」

『本と一緒に学生証が落ちたの見えたんです』

神「でも、それとこれとは話が別じゃ、」

高校生だろうが、はたまた中学生だろうが犯罪は犯罪

庇うことあるのだろうか

そんな思考がきっと読まれたんだと思う

その子は俺を見て少し微笑んで、

『こんなくだらない事で将来暗くなって欲しくない』

神「········」

『あの子はまだこれからなので！』

きっとこの子の心は凄く純粋で綺麗なんだと思った

それに、自分の考えをしっかり持ってて、真っ直ぐで、

なんか、

神「··········紫耀みたい」

『······ん？』

神「····あ、いやこっちの話！」

『そうですか』

神「止めちゃってごめんね」

『いえ！逆に嬉しかったです』

神「え？」

『あ、いや、なんていうか、少しでも気にしてくださる方いたんだなって』

この時の汚れひとつない笑顔はずっと忘れない

神「·······名前は？」

『Aっていいます』

神「·····俺は勇太。神宮寺勇太」

それから本屋へいってもAとは会わなかった

次にAと会ったのは

「AAちゃん。この子と付き合ってる」

あれから半年とちょっと

紫耀に彼女を紹介すると言われた時だった

でも何故かお互いあの時のことは皆に話さなくて

2人だけの秘密って感じがして嬉しかったっていうのは

俺の胸の内に秘めてこっかな

今でもAは覚えてるかな

俺は忘れないよ。これからもずっと。

叶わなかったけど、

正真正銘の俺の淡い初恋の思い出なんだから

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