ワガママ (ページ29)

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＿＿神

自分の席に戻って作業を再開する

けど、

ス「ここの照明、少し暗い方がいいと思うんですが」

神「確かに。ちょっと検討してみます」

ス「······ちょっと、休みます？」

神「あ、さっき少し休みましたよ」

ス「そうですか？なんかボーッとされてません？」

神「いや！全然！すみません集中します」

頭に入れてるつもりなのに全然入らない

それは周りのスタッフさんにも丸わかりだったらしくて、

あー、ほんとにダメだ

仕事に私情持ち込んで、、

前に紫耀以外に「Aのこと考えるのやめよ」とか言っといて

これじゃ、俺も人のこと言えないじゃないか

フッと息を吐いて、軽く頭を降って、

よし。集中しようと素材の紙に目を通そうとした時、

「じんー、いるー？？」

神「ん？しょー？？」

「あ、いた。俺ら休憩入るんだけどどする？？」

神「あ、いや俺は「大丈夫ですよ」

神「·····え？」

ス「息抜きしましょ」

神「すみません。ありがとうございます」

集中がかけていながら打ち合わせしてたんだ

流石にここで抜けるわけにはいかないと断ろうとすると、

気遣ってくれるスタッフさん方

それにも断ろうとしたけど半ば強引に休憩へ

その強引さもきっとスタッフさんの優しさだ

「いやー、暑くなってきたなー」

スタジオ外にある2人がけのベンチ

紫耀は腰をかけると伸びをしながら呟いた

その手には先程見てしまったスマホが握られている

座らない俺を不思議に思ったのか、

「ん？どした？このベンチ、別に汚くねーよ？笑」

神「·····そんなんじゃないから笑」

からかいつつも、俺が座るとこをサッと手で払ってくれる

・・・お前、ほんとに優しいな

特に世間話をする訳でもなく

仕事の話をする訳でもなく

ただ、お互いボーッとしたり空を見たりする

この時間が何故か心地いいんだ

「···········なあ、じん、」

神「·····ん？」

突然、沈黙を破った紫耀

「········ずっと、聞きたかったんだけどさ、」

神「·····ん、どした？」

「······皆、なんでそんなに、俺らのことで真剣になって悩んでくれるのかなっ、て、」

神「··········んー、なんでだろうね」

単純に気になったんだと思う

それは現に俺もだし

でも1つ、明確なことがある

神「2人してお人好しすぎるんだよ」

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