ワガママ (ページ23)

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＿＿廉

曲も終盤に差し掛かり、

アンコール前のラストブロックへ

赤の王子様衣装に身を包み、

巨大なクレーンに乗り込んだら、イヤモニからmemorialのイントロが聞こえてきた

1人でも多くの子に思いを届けようと

目に入った団扇には必死に応えていく

自分だとわかった瞬間、

飛んで喜ぶ子、泣き崩れる子、腰を抜かしてしまう子····

色んなタイプの子がおって、そういうリアクションを見る度にこの職業を選んで良かったと強く思う

アリーナを通過し、スタンド下段からスタンド上部へと上がっていく

歌いながら一人一人のティアラと向き合う

ありがとう。

みんなほんとに見えとるよ。

来てくれてありがとね。また会おーな。

そんな気持ちを込めて応えていく

すると、何気なく向けたとあるブロック

廉「·········ｯ！」

歌うパートやなくてよかったと思った

一瞬意識がライブと離れてしまったけど瞬時に笑顔を戻す

メンバーが近づいてくるとわかったのか、そそくさと出口へ向かう1人の女性

見慣れすぎた後ろ姿

誰か考える間もなく、直ぐにわかった

·············Aや、

Aがおったことだけでもひっくり返りそうやのに

それ以上に俺は目を疑うことを見たんやないかと思った

あかん。今無駄な事考える時やない

でも、どれだけ取っ払っても、紫耀の背中を見るとあの後ろ姿が頭をよぎってしまう

岸「おつかれさまでーす！！」

海「あっちー！！」

神「マネさん！今の映像ってあったりします？」

「やばい！喉カラカラすぎる！」

「れん？どした？」

廉「···········ん？いや、なんもないけど？」

「ん？そ？無理すんなよ」

紫耀と目があった時、優しい声が耳に届いた時

鼻の奥がツンっと痛くなった

紫耀が遠ざかっていくのを確認して頭の中の整理を始める

あの女性はAで間違いない

紫耀がしつこいくらい写真見せてきたんやもん

覚えようとしんでも覚えてまうわ

なんで？なんで今なん、、

あれから1年。やっと紫耀は前を向き始めてきてた

まあでも1秒たりとも想いは変わってないっぽいから、ただ現実を受け入れ始めてたってこと

そして、

Aの前に見えた影

どうゆうとなん？A、

あれは見間違いよな、、？

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