ワガママ (ページ14)

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＿＿廉

「移動お願いしまーす！」

今日は雑誌の特集のインタビュー

あー、朝ごはん食べとけば良かったなんて呑気に考えながら部屋へ向かう

「うわ！！びっくりしたー。廉怖すぎ」

廉「···········もーうるさいて余計腹減る」

「いや、知らんて笑」

普通に紫耀の後ろについて行ってただけやのに振り向いてこのリアクション

カメラもなんもないで？

ある意味ほんまに尊敬するわ

あれから紫耀は日に日に笑顔が増えていった

それもほんとに笑ってるような普通の笑顔

もしかしたら無理させとるのかもやけど、俺らがなにか口を挟むのは余計に違う気がして

それにこいつ、演技は上手いけど日常での演技はめちゃ下手やから無理しとったら1発

だからきっと今は大丈夫なんやと思う

ただ、

記「それでは、理想の女性像は？岸さんからお願いします」

岸「そーすねー、俺は＿＿」

記者さんの質問に順番に答えていく

恋愛系の質問はこの職業柄、数え切れんくらい受けてきた

この質問なんて年1くらい聞かれとるんちゃう？

だから、紫耀は決まってAのことを言っとった

こっちが少し焦るくらいほんとにそのままの特徴を

「最近ドライな人とかいいなって思い始めました」

記「お、前までずっとよく笑う子と言ってましたが、これまたどうして？」

「なんか、大人の余裕？がなんかかっこいいというか、笑」

「················少し性格悪いくらいが丁度いいですね」

紫耀はどんな質問がきてもAと真逆のことを答えるようになった

誰がどう捉えてもなにかあったと思わせるくらいに

さすがにティアラになんか思われるんちゃうかと忠告しようとしたけど

「··················恋愛ってよく分からないですね、笑」

インタビュー後、

毎回記者にこう告げる紫耀の泣くのを堪えて笑う顔見とったら

口が裂けてもそんなこと言えんと思った

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