9 ページ9
.
そんな私の意識を引き戻してくれたのはミンギュくんだった。
「え〜!そんなのいつでも話しかけてくれたらいいのに!!友達になろう!」
ミンギュくんは私の手を両手で掴むと、ぶんぶんと勢いよく振ってくる。その衝撃のおかげで先程から半身に感じている温もりが薄れて、少し頬の熱も引いた。
「ありがとう、よろしくね」
「あ、カトク交換しようよ」
「いいじゃん、俺も俺も」
ミンギュくんがスマホを取り出したのを皮切りに、スンチョル先輩やジョシュア先輩も画面を開いた。私も慌ててカトクを開くと、増えていく友達の数に思わず頬が緩んでしまう。
「もう一人、ドギョマも後で紹介するよ。きっとすぐ仲良くなれるよ」
ミンギュくんの笑顔は優しくて、体全身から喜怒哀楽が見えるようなあたたかい人だと伝わってくる。
先輩たちにも可愛がられているのだろう。頭をわしゃわしゃされて、砕けた雰囲気の彼とスンチョル先輩は、後輩と先輩と言うよりはまるで本当に兄弟みたいだ。
そう、みんなと連絡先を交換したとき、ちょうど予鈴が鳴って、それぞれ慌てて屋上を後にした。
ミンギュくんが私の腕を引いて、人気がなくなりだした廊下を勢いよく走っていく。大型犬の散歩みたいだな、なんて思ってしまったのは、私だけの内緒にしよう。
今日だけで、なんやかんやジョンハン先輩のおかげで、着実に友達が増えているかもしれない。さっきは機嫌が良さそうだったり、かと思えば悪かったりよく分からなかったけれど、それでも明日はちゃんとお礼を言わなきゃ。
そう、教室に入る間際に視線だけ後ろを振り返りながら、私は先程の拗ねたように唇を突き出す彼の顔を思い出していた。
.
1183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。(プロフ) - クマ!さん» そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです…!!続きも楽しんで頂けるよう頑張ります!ありがとうございます🥰 (2022年9月29日 3時) (レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
クマ!(プロフ) - このお話凄く好きです(๑˃̵ᴗ˂̵) 更新楽しみにしてます😆! (2022年9月28日 23時) (レス) @page28 id: d3bc43a704 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - 凌さん» すみません、確認不足でした💦 ご指摘ありがとうございます!助かりました!! (2022年8月15日 10時) (レス) id: 54815ccb82 (このIDを非表示/違反報告)
凌(プロフ) - お-リ-ふ-ラ外しましょう (2022年8月15日 8時) (レス) id: 10600dccf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:。 | 作成日時:2022年8月14日 2時