吉野順平ガチ勢が原作をぶっ壊す話2

ちなみに食事代はボク負担だぜ☆ ページ10

『いるよ、好きな子。告白もした』

｢｢詳しく｣｣

｢あはは〜…盛り上がってますね〜…｣


街中にあった和風カフェのテーブルで、ボクらは雑談をまじえる

やはり女の子と言ったら恋バナなのか、真っ先に好きな人の有無を聞かれたのだ

もちろんボクには愛しの順平がいるから迷わずに答えた結果

見事に食いついてくるでは無いか


｢というか、告白したって言ってるけど振られたとはいってないから返事待ちってこと？｣

｢相手の女も見る目がないわね、こんな親身になってくれる男なんてそうそういないわよ｣

｢よ、よくわからないですけど、Aくんは素敵な男性だと思います！｣

『いや、それが…男の子なんだよね。相手』

｢｢｢男の子？！？！｣｣｣


見事なハモリでそうつっこんで来る彼女たちに苦笑いを浮かべ注文した鴨蕎麦を食べる

桃ちゃんは固まり、霞ちゃんは真っ赤になる中

真衣ちゃんが口を開いた


｢相手はどんな子なのよ、振られてないってことは…相手にも迷う節があったんでしょう？｣

『ん〜とね、黒髪で色白で…』

｢内面の話だと思うけど｣

『あっそっちね、繊細で不器用で、庇護欲がそそられるような子だよ。守ってあげたくなる』

｢す、凄い…迷いがない…｣


あんみつを食べていた桃ちゃんは、さくらんぼを口に含み少し転がすと

興味津々といった様子で話しかけてくる


｢で、相手の子はなんて？｣

『返事は返されてないけど、ちょっと前に好きならそばに居てよ、とは言われたよ』

｢何それ完全に脈アリじゃない、なんで相手の子OKしないのよ｣

『脈アリだと嬉しいんだけどねぇ、彼は彼で分からないみたいなんだよ、自分の気持ちが恋なのか友情なのか』

｢確かに…同性だとイマイチ分からないかもしれないですね…恋愛に疎い方なら尚更…｣


カレーうどんを注文しようとして真衣ちゃんと桃ちゃんに全力で止められ

泣く泣くそぼろうどんを注文した霞ちゃんは、運ばれてきたうどんを受け取りながらそう言う

確かに、自意識過剰かもしれないけれど…順平はボクのことを好いてくれてるとは思う

でも、ボクはなにも付き合うことが目的ではないのだ


『ボクはただ、あの子が笑って過ごしてる未来で傍にいてあげたいだけだから』

｢…桃、ハンカチ貸してくれる？｣

｢待って真衣ちゃん私も泣きそう｣

｢私もなんかうるっときました…｣


京都のカフェの一角、甘酸っぱい雰囲気は、女子陣の涙によって

感動シーンへと切り替わった

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