〜45話〜 ページ46
ベックさんに頼まれた店までは、距離があった。
重たい体を引きずるように歩いていると、目の前に影が出来る。
顔を上げると白い制服。
「「赤髪海賊団の幹部 ヴァレノーチェ・ネーロ・Aだな！」」
右も左も、同じような服装をした男達の姿。
手に持っている銃口は、私に向く。
「この島には海軍いないと思ってたのになァ」
そう呟く。
「「この街の住人から通報があった！」」
「そう」
「「両手を上げろ！」」
ゆっくりと両手を上に上げる。
「「そのまま頭の後ろで組め」」
言われた通りに頭に腕を移動させると、足元にユピテルが刺さる。
「「た、退避−−−−ッ！！」」
ユピテルのグリップを握ると同時に能力を全開放させた。
もう、どうにでもなれ。
晴天だった空は、真っ黒の雲へと変わる。
私の心の様な。
雷の音と共に、雨が体に打ち付ける。
近くで銃声が聞こえた。
降り注ぐ雨水の中から、無数に飛んで来る銃弾を斬り裂く。
2つに割れた銃弾は足元の地面を傷つけ跳ね、近くの家に穴を開ける。
雄叫びを上げた男が、走り込んで来るがすぐに背後をとり体に触れ感電させる。
ライム「A！」
雨の中に私の名前を呼ぶ声がした。
「ライムさん！危ない！」
ライムさんの後ろに立つ海兵の手には、ライフル。
咄嗟に、間に入るとライフルの持ち手で頭を殴られる。
ぐにゃりと揺れた視界は、赤く染まり出す。
「早くお頭の所に戻って船を出すように言って下さい！」
痛みに叫びたくなるを堪え、背中にいるライムさんに言う。
ライム「2人でやれば勝てる数だ！」
「この島に赤髪海賊団がいるって通報を受ければこんな少数で来ません！時期に大将が来ます！」
手の甲で、左目を真っ赤に染める血を拭うがすぐに垂れて地面に溜まる水溜りに落ちる。
ライム「だからって！」
「早く行って下さい！」
ライム「もう二度とお前を手放さないって決めたばっかだろうが！」
「ッチ」
私は、ライムさんの体に触れて気絶させた。
麒麟の姿に変わりライムさんを担いで船まで飛ぶ。
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
