〜20話〜 ページ21
SHANKS side
「‥‥‥誰ですか」
「私はヴァジュラ・ネーロ・D・Aです」
俺を見つめる目は、人間屋で買った時に見た人を怖がる目をしていた。
ベック「お頭」
シャン「悪い 何か分かったか」
揺れているランタンの火から目を離した。
ホン「1年前にこの村に流れ着いたのを漁師が助けたそうだ」
シャン「そうか」
ホン「せっかく見つかったのに‥‥」
ライム「良いんじゃねェの」
ヤソ「俺もそう思う」
ホン「2人して何を言ってるんだよ」
ライム「海賊の血にまみれた道よりも普通の女の子としての幸せな暮らしをさせてあげたら良いんじゃないかって」
ライムジュースの言葉にホンゴウの何か言いたげな口が閉じた。
ヤソ「あの餓鬼と手を繋いで酒場に入って来た時にAには家族を持って幸せになって欲しいと思っちまった」
ライム「ホンゴウ お前もあんな痛々しいAの姿見たくねェだろ」
ホン「そうだけど このまま俺達の事もお頭の事も全部忘れたままで良いのかよ」
シャン「それでAが幸せなら良いさ」
ホン「お頭」
ベック「少々Aの名に聞き覚えがあって調べた」
ずっと黙って聞いていたベックが口を開いた。
ベック「ヴァレノーチェ家は政府に内密で強化人間の人体実験を行っていたそうだ そしてAの本当の家ヴァジュラ家はヴァレノーチェ家と手を組みまだ幼いAに実験をした」
ホン「反吐が出る」
シャン「あんな高値の値段がついてた理由はそれだったんだな」
ヤソ「懸賞金の跳ね上がり方が凄いのもそのせいか」
ベック「このまま此処で暮らしを送らせた方が良い」
赤髪海賊団幹部のヴァレノーチェ・ネーロ・Aはもういない。
ざわついている心を落ち着かせる様に無理に暗示をかける。
幸せになれよ。
A。
SHANKS side end
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
