〜17話〜 ページ18
SHANKS side
陽光の暖かさに目を覚ました。
部屋の中を充満する消毒液の匂い。
上半身を起こすと頭が痛むので額に触れると包帯が巻かれている。
どうして俺が。
記憶を辿る。
確かAと晩酌していて。
そこからの記憶が欠けている。
思い出そうとしても靄が掛かっていて思い出せない。
ウタ「シャンクス？」
寝ぼけたウタの声が聞こえた。
声が聞こえた膝の辺りを見ると寝起きのウタがこちらを見ている。
ウタ「シャンクス！Aが！Aを探しに行こう！！」
大粒の涙を流すウタに頭がついていかない。
Aを探しに行こう？
だって俺はアイツと一緒に酒飲んで…。
ウタの耳を劈く声にすぐに反応して部屋に入って来たのはホンゴウだ。
何故かホンゴウの頬には大きなガーゼが貼られている。
次に部屋に入って来たのはベックだ。
ベックにも何箇所か真新しい傷がある。
シャン「‥‥何があった」
ホン「海軍の奴らだ」
シャン「皆 無事なのか」
ベックが目を伏せる。
ホンゴウは唇を強く噛みしめている。
シャン「なァ 皆無事なんだよな？」
ライム「無事だ」
シャン「そうか なら良かった にしてもお前らがそんな傷を負う程なんてな」
ホン「無事じゃねェよ！！！」
滅多に大声を出さないホンゴウが声を上げた。
シャン「どうしてホンゴウ そんな声出して」
ウタ「Aが帰って来ないの」
か細いウタの声ははっきりと俺の耳に聞こえたと同時にベットから飛び降りた。
ライム「お頭！急に動くなって！」
よろけた所をライムが支えてくれる。
ベック「お頭 俺らもアンタが眠っている間に探した」
ルウ「これしか見つけられなかった」
ルウが手にしているのはユピテルだった。
「お頭！どの剣がかっこいいですか？」
一緒に武器屋に行った時の記憶が頭に過ぎる。
「もうお頭 お酒飲みすぎですって」
「お〜か〜し〜ら」
次々に蘇る思い出の数々に胸が張り裂けそうだ。
ヤソ「Aのやつ 私のせいでお頭がって」
シャン「だから死ぬやつがいるか」
ホン「まだ死んでねェのに勝手に死んだって決めつけるなよ！」
ボロボロと涙を流すホンゴウ。
ホン「アイツは帰って来ますって言ってたんだ」
ベック「生きてる」
シャン「どこにその確信がある」
急にルウがユピテルから手を離す。
――――――トン。
俺の顔近くにユピテルが刺さった。
ベック「剣先の方向とログポースが指し示す方向が一緒だ」
シャン「その先にAがいるのか」
ベック「分からないが」
シャン「行くぞ」
SHANKS side end
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作者名：アルマジロ
| 作成日時：2022年9月17日 23時
