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ついに欲求が抑えられなくなった。
彼女の全身から甘い甘い、ケーキの匂いが発せられる。
「ご主人…様?」
メイドをベッドに押し倒す。別にやましいことなんてしようとはしてない。
人間で言う、食事行為。
「…なあ、A。」
「はい!」
状況が呑み込めず、うろたえるメイドにアーサーはキスをした。
噛みつくような、甘い甘いキス。
アーサーは興奮していた。この世にこれほど甘い味があったとは!
正常な判断でさえすることを許さないこの匂い。
やっと食べることができた!このケーキを!
メイドは突然のことにわけもわからず、泣いている。
夫人に言われた、「アーサーを助けてあげてね」と言う言葉は優先しようとしたが恋愛感情に発展するまでは考えていなかった。
(そっか…ご主人様って)
自分が何者かを悟り、そして主人の本性を受け入れる。
(ごめんなさい、奥様)
そう心の中でメイドはつぶやいた。
**
朝目を覚ますとアーサーがメイドを起こしにやってきた。キスだけで意識が途切れてしまった様だ。
服がはだけてないことを確認すると、アーサーにメイドの方からキスをした。
「今日の、糖分接種ですよね。」
そこからケーキとフォークの主従関係が始まった。
他の使用人にバレてしまうと、メイドもアーサーも危険なので二人きりの時に軽いキスをする。
夜になればアーサーが寝る時にキスをする。深くて甘いキスだ。
アーサーはそこそこキスが上手いらしく、メイドもアーサーのキスが好きだった。
メイドは精一杯アーサーのことを受け入れようとした。自分の身が清らかであれば、キス程度ならいい。
アーサーのことを受け入れようとするメイドの気持ちとは裏腹に、アーサーは欲求不満になっていた。
__もっとAが欲しい。
この関係が始まってから2年経とうとしているがアーサーの欲求は底知れない。
しかし、アーサーはメイドを殺す気なんてなかった。彼女には生涯、甘い甘いケーキでいてほしいのだ。
ひと時だけの欲求を満たすより、少ない甘みを楽しむのがケーキ。
別荘の庭はアーサーのお気に入りの場所だった。滅多に人が来ることもなく、安全な場所。
テラスでアーサーは紅茶を年老いた使用人に出させた。紅茶を使用人が出した後、アーサーは紅茶にメイドの髪の毛を入れた。
味のない紅茶もケーキが入れば甘くなる。
何も知らない使用人を見て自虐的に笑う。
_俺がAを殺す日も近いな、と。
【菊】オタクだってできる恋はあるんだよ?(ギャグ(?)&恋愛)→←【アーサー】Master-servant relationship of the cake with a fork.(pink&ケーキバース)
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ミファ(プロフ) - エリジャさん» ありがとうございます! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 9307a90a97 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - ミファさん、こんにちは。イベント参加ありがとうございます!!読ませていただきましたが…ぶ、文才が凄すぎる………すごく上手いですね!!これからも頑張ってください!応援しています!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
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