検索窓
今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:11,504 hit

【ギルベルト】ちいさな王子さまとおおきなお姫さま(ほのぼの?) ページ14

うちの近所に住む子の名前はギルベルトと言う。
親の知り合いであるフリッツの息子でフリッツが仕事で忙しい時はこうやってうちで面倒を見ている。
そんなギルベルトに言われた、ある日の約束。
高校生の私と小学生の彼。
少し背伸びした、ちょっとした関係。


「A、きてやったぜ!」
「いらっしゃいギルベルト。幼稚園帰りなのはいいが、上から目線なのはどうも納得がいかないな。」
インターホンに手が届かずにじたばたしていたのをたまたま外から発見して、扉を開けた。
今日はフリッツに頼まれていたんだっけ。

「おやつはスイートポテトだよ。」
「うまい。」
「ちゃんと手を洗ってから食べなさい。」
こういったシーンを見ると子育てって大変なんだな、と思う。
ギルベルトもあと一年したら小学校入学。…友達いるのかな。
まあ、まだちっちゃいルートヴィッヒの面倒も見てるみたいだから大丈夫だろうね。


「邪魔するぜー!」
「おじゃまします。」
「ギルベルトとルートヴィッヒか。いらっしゃい。」
背もすっかりのびて、ギルベルトがインターホンに手が届くようになった頃。
弟のルートヴィッヒが卒園間際になった頃。

「聞いてくれよA!フランシスとアントーニョなんかな!」
こうやっておやつを食べているギルベルトの愚痴を聞いている。
彼の弟であるルートヴィッヒはとてもできた子供で、今この瞬間も台を使っているものの食器を洗っている。
いや、ギルベルトもそうやってはくれるのだから、二人ともできた子供というべきか。

「明後日さ、参観日俺のクラスであるんだよ。見に来てくんねー?」
「…フリッツがいるだろう?」
「親父、仕事で来れねーんだよ。」
やれやれ仕方がない。
私はフリッツのかわりに、参観日に行くことにした。
随分と若いママね、と噂されたような気もしたが…

そういえば、この子たちの母親は誰なんだろう?フリッツは男で一つで二人を育てていたが…彼の妻を私は見たことがない。


「あら、珍しい。来ることも珍しいけれど今日は一人なのね。」
「…おう。」
「何?喧嘩したの?」
6年生になったギルベルトが一人で学校帰りに訪ねてきた。
もうこの年になれば一人でお留守番もできる。なので二人がうちに来る日は減っていた。

「今日な、あのその…結婚記念日なんだよ。」
「ふーん、誰の?」
「俺の母さんと親父の結婚記念日。」

それから、彼は自分の母について語り始めた。

2→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミファ(プロフ) - エリジャさん» ありがとうございます! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 9307a90a97 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - ミファさん、こんにちは。イベント参加ありがとうございます!!読ませていただきましたが…ぶ、文才が凄すぎる………すごく上手いですね!!これからも頑張ってください!応援しています!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミファ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年4月1日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。