検索窓
今日:10 hit、昨日:45 hit、合計:258,143 hit

39 ページ41

*



「…………ありがと、送ってくれて!」

「ん」



いやはや、なんということだろうか。


裏山に山菜採りに校長の高嶺くんを筆頭に何人かと行った。山菜採りに励んでいれば、みんな歳だから疲れたのかすぐに裏山から降りたのだ。


その後に火事だ火事だって騒ぎになって。
近くでみんなで休憩していたけど、鎮火してから様子を見に行けば顔色変えた九井くんが立っていた。呼び掛ければ、目を見開いて私を抱きしめるし。


「ムカつく」とか言いながらキスされて、驚くよりも嬉しさで思わず笑っちゃうし。こうして家まで送ってくれますし。



「九井くん!」

「………なんだよ」



今まですぐに振り向いてくれることなんてなかった。けど、すぐにこっちを向いて私を見る彼に、胸がドキドキと鳴っちゃうの。



「九井くんの目には私はどんな風に写ってる?」

「…………馬鹿で阿保でムカつく。それがお前だろA」



嬉しいな。
ニコニコとしていると九井くんは「帰る」と言って背中を向けた。また明日ねと言うと「おう」と私をみて返してくれる。


家の中に入ればお父さんが待ち構えていて。
お母さんのお母さん、つまりおばあちゃんが倒れたという。急いでおばあちゃん家に行けば、おばあちゃんは割とピンピンとしていた。けれど安静が必要で1週間、私とお父さんはおばあちゃん家にいることに。



「Aは学校あるだろうし、帰っていいんだぞ」

「ううん、おばあちゃんが心配だから私もいる」



もう一度、九井くんに告白したら彼はどんな返事をしてくれるのかな。


畳の部屋で寝転がっていると万次郎から電話が来た。「無事?怪我ない?」と少し震えた声で聞いてくる万次郎に「大丈夫。怪我してないよ」と教えてあげる。私は万次郎を悲しませたりしないよって。



「場地のことだけど」

「…………え?」

「お前のこと心配で駆けつけた。会ってねぇの?」



圭介の気持ちには答えられない。
告白されて、ちゃんと男の子なんだと思っていたがやっぱり私の中では弟分の圭介っていうのが大きかった。



「(…………ちゃんと言わなきゃ、)」




.

40→←38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (292 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
692人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちえ - 私の最推しのイヌココが出た時はギャーギャー叫ばすにはいられませんでした (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!あああもう好きっっ (2021年10月12日 23時) (レス) @page37 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 更新ありがとうございますぅぅやばいです!ようやくデレ九井くん登場でドキドキが止まらないのともう場地さぁぁぁんって気持ちで溢れて続きが気になりすぎます!!!、 (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 場地さんんん切ねぇ😭更新お疲れ様です! (2021年10月9日 22時) (レス) @page27 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ続き気になるっ更新お疲れ様です! (2021年10月9日 17時) (レス) @page25 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作成日時:2021年10月3日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。