こっち向いて、私を見て【九井一】

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「なにやってんだよ」

「高嶺くんと一緒に山菜採りしてくる！！」

「高嶺くんって誰だ」



ごもっともなイヌピーの質問に「校長先生だよ！」と教えてあげる。私よりも君たちの方がこの高校は長いはずなのに知らないのか。



「いや〜、いい名前だよね校長先生」

「お前校長とダチにでもなったつもりか」

「マブダチだよ」



はっはっは！と笑いながらジャージのズボンをスカートの下に履いて「それでは今日の集会は校長と山菜パーティーするのでいけません！」と万次郎に伝えといてくれと伝言を頼んだ。


私は東卍メンバーじゃないけれどよく万次郎に「集会強制参加な」と脅しのメールが届く。この前ドラケンに集会出禁くらっちゃったけど、万次郎に呼ばれたら仕方なしにいくしかないのだ。けど、今日は高嶺くんと校舎裏手の山に山菜を採りにいくから行けない。



「じゃあ、また明日ね。九井くん、イヌピー」



にっこりと笑って二人に手を振るう。
高嶺くんが待っている校舎裏の出口まで向かう。


おうおう、他にもメンツは揃っているようだ。設備の優太くん(57歳)、警備の紫耀くん(63歳)、家庭の道代さん(55歳)。



「よし、山菜採りまくって山菜の天ぷら食べるぞ！！！」

「佐野さん元気ねぇ」

「わしらの趣味に付き合ってくれる若者は彼女ぐらいだ」



5人中1人だけ気合い十分で山の中に入っていく。
山菜採りなんて初挑戦だけど、頼もしい仲間がいてくれるからきっと余裕だ。


夜、万次郎の家に行ってお裾分けしよう。きっとエマも喜ぶと思う。



「そういえば佐野さん、最近どうなの〜？例の九井くんだったかしら」

「もう聞いてよ、道代さん〜！！」



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