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イヌピーの家に向かって、お邪魔する。
部屋に勝手に入って「準備できてるか」と声をかければまだ特攻服すら着ていない。



「ココ、来るの早ぇ」

「あれから何分経ったと思ってんだよ」



親御さんはまだ帰ってきていないのか、家の中はシンと静まりかえっている。下の階に降りて、とある部屋への扉を開ければそこには佐野Aがいた。


手を合わせて目を閉じている。

遺影の中に映る人物とは会ったこともないのに、何かを語り合っているかのように暫く目を閉じていた。漸く目を開いたかと思えば俺に気づいて「あ、九井くん」と笑う。



「なんでいんだよここに」

「いやそれがね、万次郎に集会来いって脅されちゃって。ちょうどイヌピーと一緒だったから」



ニコニコとしながら話すソイツは視線を遺影に映る赤音さんに戻した。ソイツの後ろに腰掛けて、近くにあるアルバムを手に取る。


中には映るのはまだ生きていた頃の赤音さんの写真と、俺とイヌピーが映る何枚かの写真がある。チラリと何度か視線を上げて佐野Aを見た。



「……………違う」

「何が?」

「………何でもねぇよ!こっち見るな」

「酷!」



総長の妹のために髪を金髪にしていたらしい。
不良にだって立ち向かう馬鹿。
赤音さんとは全然違うんだよな。笑い方も、表情も。



「九井くん」

「………俺に近づくやつはみんな金だ」

「え、なに急に」



世の中全部金で。
金を作ってほしいと依頼してくる奴ばかりだし、下手すりゃ金があるから寄ってくる女だって中にはいた。



「金をやればお前は俺から離れんのか?」



また失うぐらいなら、いっそのことそばにいない方がいい。掻き乱されるのはもう十分だ。場地のところに行けよ。



「私はお金なんていらない。九井くんの心がほしい」

「…………」

「九井くん、私はいなくならないよ。だから泣かないで」



泣きたくなんてねぇのに、赤音さんの写真に涙が落ちてまるで彼女が泣いているかのように見えてしまう。



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ちえ - 私の最推しのイヌココが出た時はギャーギャー叫ばすにはいられませんでした (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!あああもう好きっっ (2021年10月12日 23時) (レス) @page37 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 更新ありがとうございますぅぅやばいです!ようやくデレ九井くん登場でドキドキが止まらないのともう場地さぁぁぁんって気持ちで溢れて続きが気になりすぎます!!!、 (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 場地さんんん切ねぇ😭更新お疲れ様です! (2021年10月9日 22時) (レス) @page27 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ続き気になるっ更新お疲れ様です! (2021年10月9日 17時) (レス) @page25 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作成日時:2021年10月3日 14時

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