こっち向いて、私を見て【九井一】

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「じゃあもしも私が髪の毛ばっさり切って、メイクで顔の半分に火傷を作ればイヌピーそっくりになるのかな」

「ココは時々俺を見て赤音を思い出してるから、多分」

「だって君たち兄妹そっくりだもん」



写真の中の赤音さんとイヌピーはとても似ていた。それに加え私も赤音さんに似ていることから、イヌピーくんと顔が似ているということになる。


武蔵神社への階段を上がっていくと、すでに九井くんがいていつものように私を睨んでいた。私もガンを飛ばそうか迷ったけれどこの顔で飛ばしたところでだ。


それにさっき私の顔は九井くんの初恋の赤音さんに瓜二つだと知ったばかり。それに声もそっくりだってイヌピーにも言われた。



「おっ、Aじゃねぇーか」

「ケースケ！やだもうまた身長高くなってる！」



この前まで私よりも小さかったくせに、いつのまにか私の頭の上に顎がある。私の頭を腕乗せにしてくるケースケに腹パンをやるもびくともしなかった。



「A、何しに来た」



全然目の笑っていない万次郎がニコニコとしながらこちらにやってくる。ごめんねぇ万次郎……とヨシヨシと頭を撫でてやる。ポケットからどら焼きを出して手に握らせて。



「つーか、A。この前から思ってたけど、胸また大きくなった？」

「どさくさに紛れて触ってんじゃねぇよクソ餓鬼」



本当弟みたいで可愛い。エマも妹のようで可愛いの。
私の胸に顔を埋めている万次郎に顔退けろ！と笑っていると、強く後ろに引っ張られた。



「………え？」



引っ張ったのはいつも止めに入るドラケンでも昔からの東卍メンバーでもなくて、九井くんだった。



「マイキー、みっともねぇからやめたらどうすか」

「……あ？」



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