番外編�� ページ44
*
「………………」
じっと一点をただ見つめていた。
はて、どうしたものか。
見えるようになったのは、高校の修学旅行でのあのハプニングから。
……いや、実際は小さい頃から見えていた。
母と父も私と同じように"見える"人間だったんだと思う。お父さんを殺されたショックで見えるというのを拒絶していたんだと思う。
変な鳴き声でうめくそれをじっと見つめていた。
悟くんとの待ち合わせ場所は高専から少し離れた場所。足を曲げてひたすらにそれを眺めている現在。
「………………」
「Aさんじゃないですか」
「……伏黒くん、」
「……って何やってんですか、アンタ！」
どこかに行くのか偶然通りかかった彼の生徒、伏黒恵くんと会う。視線を彼に移せば、思いっきり肩を引かれて、その妖怪みたいな生物から遠ざけられた。
伏黒くんは手で懐かしい影絵遊びを始めた。すると、にょきっと出てくる黒い犬。「あ、」と思った時にはすでに遅くて、彼が出した犬にその生物は喰われてしまった。
「危なっかしいとは五条先生から聞いてましたが、本当だったんですね。だからあの人が過保護になるわけだ」
「ごめん、」
「Aさんに傷一つでも付いたら、五条先生暴れますよ」
確かに。そう思った。
先日、晩御飯を作っている最中に指を包丁で軽く切ってしまったのだが悟くんはありえないぐらい騒いでいた。これがさっきの呪霊が相手だったら……。
伏黒くんが出した式神の玉犬という黒い犬を撫で回す。「五条先生と待ち合わせですか？」と落とされた言葉に頷いて、ポケットから飴を一つ取り出して彼にあげた。
「Aさん、俺もう高校生ですけど。飴で喜ぶ歳じゃないです」
「伏黒くんがこんぐらい小さな頃から知ってるから、つい」
「はぁ」
伏黒くんはもう一体式神を出して、悟くんが来るまでの間私のそばにいた。用事があるんじゃないかと尋ねてみるがさっきみたいなことになってもあと後厄介だからという理由で、用事を後回しにしてくれたようだった。
「おまたー」
「悟くん」
「五条先生」
「は？なんで二人一緒にいんの？」
「(……めんどくさ)」
撫で回していた玉犬が消えて、伏黒くんも「じゃ俺はここで」と背中を向けた。数メートル先で止まった彼は、こちらを振り返り「飴、ありがとうございます」と頭を下げた。
「それと五条先生、その人本当に危なっかしいですね」
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沙羅(プロフ) - お疲れ様でした！完結おめでとうございます（＾ω＾）長い間読ませていただきました。番外編楽しみにしてます！甘々な展開、期待しております！ (2021年4月19日 22時) (
レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
踊る宝石(プロフ) - はじめまして！本当にこの作品大好きです。番外編がこれから少しあるんですかね？更新楽しみにしてます！ (2021年4月19日 1時) (レス) id: 7183f6d526 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美桜さん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月14日 21時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
飼口(かいぐち)(プロフ) - 一人称が僕になってる…！てことは夏油はこのときにはもう…？ (2021年4月13日 21時) (レス) id: 57441fdd79 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美波さん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟でお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2021年4月4日 19時
