悟くんの言うとおり2【五条悟】

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「どう？楽しい大学生活は」



高専内を悟くんと手を繋いで散歩した。
彼からの質問に笑顔で楽しいと答えると、悟くんはわかりやすく不機嫌な顔をする。


サークルに入って、先輩たちとも打ち解けた。再来週には夏合宿もある。悟くんもちょうど、海外に行かなければならないと言っていたから、寂しいけれどそれを夏休みの楽しみにしていた。



「あーあ、良いよねAは。僕なんかと違って楽しーい夏休みで」

「悟くんだって海外行くんじゃん」

「僕のはにん……ん"ん"っ！じゃなくて学校行事ですー」



不貞腐れている悟くんに「お土産待ってるね」と顔を覗き込んだ。止まった悟くんに顔を掴まれて、思いっきり長いキスをされる。


「ていうかさー」と悟くんは繋いでいた手を上にあげて、左手を確認した。つけてねぇだろ？とコメカミをピクピク痙攣させている。



「意味ねーじゃん。僕が何のためにクソ恥ずかしい思いして、婚約指輪買いに行ったと思ってんの」

「悟くんに恥ずかしいっていう概念あるの？」

「まあないけど。そもそもお前に大学で余計な虫がつかねぇようにしてんのに。ちゃんとつけねぇなら、今すぐ籍入れるぞ。これは脅しだ」



待って待って、とブラウスのボタンを一つ外す。「ちょ、こんなところで大胆な」とかなんとか言っている。さっき悟くんの部屋で、服の中に手を入れてきたのに気づかなかったのかな。


首から下げているネックレスのチェーンを引き上げて、そこに通している指輪を彼に見せた。



「前に指輪のこと悪く言われて、それからこうしてるからつけてないわけじゃないよ」

「は、誰だよんなこと言った奴は」



以前この指輪で揶揄われたことがあったから、それからはこうして身につけていた。いつもそうしているから、久々に会ったのに指につけて行くのを忘れていた。


良かった良かったと上機嫌になる彼は私の首からそれを外して薬指に付けた。「それでは参りましょうか、お嬢さん」と手の甲にキスをする。何か変な映画でも見たのかな。


どこ行く？と高専の出口に歩き出す私たち。
悟くんは「今日はねぇ、映画見てAに洋服買ってあげて、最終的にホテルコースで」と今からのデートコースを述べて行った。



「悟くんって欲に忠実だよね」

「文句ある？」



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