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ただ気付くのが遅かっただけだと思う。
『悟くんの意地悪!』
『雑魚が』
泣いた顔を見るのが楽しかった。
こんな俺に笑ったお前をそばにずっと置いておきたかった。まあそんなこと口が裂けても言わねぇけど。
「絶対嘘!悟くん、昔いつも意地悪してたじゃん」
「だからいじめたくなるつってんだろ」
「その域を超えてた。酷い時は池に落としてたのに!」
悪意があった!と頬を膨らませるAに確かそんなこともあったなと頭を捻らせた。そうそうアレは確か小学校でAが他の野郎と手を繋いでいたのが無性にムカついたからだったか。だから実家にある池にAを落とした(理不尽)。
「あ、雨だ。傘持って来なかったのに、」
「必要ねぇよ」
隣に座るAの手を握る。
簡単に触れられるのは俺がAの恋人だから。俺だけの特権である。
無下限術式を使って、雨除け。
Aはすんげぇ驚いて空を見上げていた。たしかに降っている雨。なのに、それは俺たちの頭上には落ちてこない。……というかぬれない。
「……そっか、悟くんは魔法を使えたんだね」
「おうよ。魔法なら、もう一個使えんぜ」
「なになに?」
Aを引き寄せて、唇をくっつける。
目を大きく開けるAに、笑って口を割って舌を入れる。逃げ回る舌を追い詰めて、絡めればAから甘い声が吐き出されていく。
「………ん………あ、」
魔法?そんなもん使えるわけねぇだろ。
俺が使えるのは呪術。魔法なんてものはこの世には存在しない。
キスをやめれば、首まで真っ赤にさせたAと目が合う。視線を逸らそうとするから、顎を掴んで固定してやった。
「お前を女の子顔にできんの俺だけが持ってる魔法だわ」
顔の赤いAをケラケラと笑った。
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沙羅(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます(^ω^)長い間読ませていただきました。番外編楽しみにしてます!甘々な展開、期待しております! (2021年4月19日 22時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
踊る宝石(プロフ) - はじめまして!本当にこの作品大好きです。番外編がこれから少しあるんですかね?更新楽しみにしてます! (2021年4月19日 1時) (レス) id: 7183f6d526 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美桜さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月14日 21時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
飼口(かいぐち)(プロフ) - 一人称が僕になってる…!てことは夏油はこのときにはもう…? (2021年4月13日 21時) (レス) id: 57441fdd79 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美波さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟でお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年4月4日 19時