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そう言ってきたのはこれで2回目だ。
一度目は中学の時。
「………………」
Aは国語の人の感情を掴めといった問題が昔から苦手だと言っていた。だからか、今まで俺がAを独占しようとしていた感情すら読めていない。
なんで俺が毎週休日の日、お前に予定を詰め込んでいたのかも、Aと離れて暮らすようになり「周りに男はいないか?」と確認していたのかも、知らないんだろうな。
「いいよ、Aがそうしたいなら」
「…………っ」
俺との間にある主人と使用人の関係。それでこれ以上、Aが傷つかなくて済むのなら、今すぐにでも解消してやんよ。
予想もしてなかったのか、俺がすんなりと受け入れたことにAは顔を上げて目を見開いた。あぁ、泣いてても可愛いなと。だけどやっぱ泣きやめよと思いながら、涙を拭ってやる。
「Aが望むなら今すぐに使用人なんてやめていい。だから、最後にこれだけ、俺の命令を聞け」
「………うん」
「これが最後の五条悟様の命令だ。自分の好きなように思うがままにに生きろ。もう何も我慢するな」
俺の辞書から使用人水瀬Aはいなくなる。
これでAが望む主従関係は終わりを告げる。Aは、それを聞き終えると、顔をあげてにっこりと笑顔を浮かべた。
「ありがとう、悟くん」
「おう。俺は優しいからな」
「うん。……だから、ずっと好きだった」
「……………ん?」
最後に命令したのは確かに俺。
うん、それはそう。だけど、こんなに早く自分の好きなように生きてくれんのか?
「悟くん、好きだよ」
「……マジ?」
俺の顔を包み込んだAの小さな手。
すぐに近づいたAの唇が俺のものに触れた。
「お前、どんだけ我慢してたわけ?」
いや、マジ無理。
「可愛すぎ。もっとさせろ」
離れた頭部を押さえてもう一度キスをする。
何度か角度を変えて、深くしたキスに満足して顔を離した。
「ヤッベー、なにこれ俺世界一幸せ者じゃん」
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*まだ35pあるんで、何かしらネタ載せて完結させますね(ネタも尽きてきたけど)*
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沙羅(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます(^ω^)長い間読ませていただきました。番外編楽しみにしてます!甘々な展開、期待しております! (2021年4月19日 22時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
踊る宝石(プロフ) - はじめまして!本当にこの作品大好きです。番外編がこれから少しあるんですかね?更新楽しみにしてます! (2021年4月19日 1時) (レス) id: 7183f6d526 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美桜さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月14日 21時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
飼口(かいぐち)(プロフ) - 一人称が僕になってる…!てことは夏油はこのときにはもう…? (2021年4月13日 21時) (レス) id: 57441fdd79 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美波さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟でお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年4月4日 19時