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火曜日、放課後。

講義を終えた私は荷物を抱えると急いでトイレに駆け込んだ。化粧ポーチを出して軽くメイクをし直す。落ちかけた唇の色を塗り直し、んぱっと小さく鳴らす。


巻いていた髪の毛は湿気のせいで少し取れかけていた。偶然隣にいた別学部の子がアイロンで髪の毛を巻いているのを目撃し、遠慮がちに貸してもらえないか尋ねる。



「全然いいよ。使って使って」

「ありがとう」



髪の毛を巻いていると、彼女は「デート?」と聞いてくる。全く知らない子だからいいかなと私は頷いた。


今日、私は実弥に「好き」だと伝える。一世一代のこの日は、彼に可愛いと思って貰えるように気合いを入れて自分自身を可愛くしなければならない。


アイロンを返してお礼を再び言うと大学を出た。
待ち合わせは20時。少し遅い時間だけど、大丈夫かな。そう思いながら、時間を少し潰してから10分前にそこに着く。



実弥が来るまでの間、スマホにイヤホンをして音楽を聴いた。全て聴こえてくる音楽が背中を押してくれる。大丈夫だって、そう思える。そう思わせるためにも、あの日実弥はキスしてくれたんだよね。



「……………来ない、」



20時半。

いつもだったら10分前には必ずくる彼はそこに現れなかった。寒くなり、冷え切った指先が少し痛い。息を吐いて温めるけれどどうにもならない。仕事が遅れているんだろうなと勝手に思い込んではずっと待っていた。



21時18分。


見えた白銀の髪の彼に駆け寄って「遅かったね、どうしたの?」と手を伸ばすと、途端に払われた。弾かれた手が行き場をなくしてしまう。


驚きよりも手を払われたショックが大きくて言葉を失った。「実弥、あのね」と震えながら声にする。今日、実弥に好きだって言うんだって決めて……いた。



「今日でてめぇと会うのは金輪際終わりだァ」

「………え?」



彼の口から吐き出されたそれが異様に感じた。
あり得ない。だって、待ってほしいと言っていた貴方がそういうなんて。


背中を向けて歩き出した実弥の腕を掴んだ。
振り払われそうになるも、夢中で必死にしがみついた。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 不死川玄弥   
作品ジャンル:アニメ
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2021年1月14日 18時

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