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もう答えなんて出ているようなもんだった。

「私のことなんとも少しでも想ってくれてるなら、来て欲しい」その言葉に、Aを選び迎えに行った時点で、俺の気持ちが完全に彼女にあるのは誰が見てもわかる話だ。


気持ちを伝えるためには、しなければならないことがある。だから、Aが言おうとした言葉を遮って「時間が欲しい」と伝えた。


だが、それだけの言葉では不満だったようで、先日酔っていたAの言葉に刺激され、我慢できずにキスをした。


あれから数日が経つ。
仕事の関係で、玄弥とまともに会うことが出来なかった。だからまだAに自分の気持ちを伝えることも出来ていない。


Aは紛れもなく玄弥の友達だ。
だからこそ、玄弥の友達を好きになってしまったと一度玄弥に言わなければならない。なんとなくそう直感してしまった。気持ちを伝え、関係に名前をつける以上、大切にすることも伝えなければならないんだ。


夜勤明けの重い瞼をゆっくりと開ける。
俺の向かい側の部屋が騒がしいあたり玄弥が帰ってきたのだろう。腰を上げて、玄弥の部屋に入ろうとすれば玄弥は誰かとしゃべっていた。玄関に玄弥と俺以外の靴がないことから電話であるのはわかる。



「………A、好きな人がいるんだってよ」



部屋に一度戻ろうとしていた俺の耳には玄弥のそんな声が聞こえて来る。心なしか落ち込んでいるのか、声のトーンは悲しげだった。つい立ち止まってしまった俺は最低ながら、たち聞きをしてしまう。



「好きだって言えるわけねぇじゃん。Aが好きなのは俺じゃない別な男。勝敗が見えてる」



玄弥の悲痛な声。
俺は耳を疑いながら 口を手で塞ぎ、全てを悟ってしまった。



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俺が惚れてしまったのは、弟の好きな女だと言うことに。




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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 不死川玄弥   
作品ジャンル:アニメ
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2021年1月14日 18時

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