検索窓
今日:18 hit、昨日:7 hit、合計:114,206 hit

41 ページ42

*



Aが好きなコーヒーと自分のものを買い、彼女がいると思われる共有スペースまで歩いていく。中に入ろうとして、聞こえてきた女子トークに思わず足を止め、扉に隠れていた。



「……………でも、好きなの」

「へぇ、そっか」

「うん、こんな自分初めてってぐらい、その人のことが好き」



女子トークの真っ最中、その内容は恋愛だった。
ただの女子トークならば、普通に中に入っていけたものの、内容が内容だけに入っていけず。Aの会話に俺は持っていた缶コーヒーを落としそうになった。


その相手が俺でないことはなんとなくわかる。
最近スマホをよく見て頬を染めていることも、日に日に可愛くなるその姿も。全て影響しているのは俺自身ではない。



温かい缶コーヒーはいつのまにか冷めて,俺は中に入ることなくその場から去って行った。家に戻ってくると、夜勤明けの兄ちゃんが帰ってきていて、まだ眠っているようだった。


俺は部屋に入ってベッドに腰かける。
目頭を押さえて大きなため息をついた。高校時代の友達、炭治郎から着信が入り電話に出るといつものように明るい彼の声が聞こえて来る。



「玄弥、電話越しじゃ匂いなんてわからないけど、なんか元気ないな」

「……わかるか?」

「あぁ。もしかして好きな子のことか?」



以前、Aと他の奴らと遊んだ時に、偶然炭治郎と会ったことがある。その時に紹介した際炭治郎はすぐに俺がAを好きだと見抜いていた、だから、彼女がどういう子なのかも知っている。



「………A、好きな人がいるんだってよ」

「そうだったのか。告白、しないつもりなのか?」

「言えるわけねぇじゃん。Aが好きなのは俺じゃない別な男。勝敗が見えてる」



今好きだとAに伝えたところで叶わない。
それで親友のように仲が良い彼女とギクシャクするのもまた嫌だった。



.

42→←40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
289人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 不死川玄弥   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2021年1月14日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。