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「美味しい……」
頬を染めて酒を口にする彼女はもう半分以上は出来上がっている状態か。夜飯を食べに居酒屋に入れば、お酒が飲みたい！と次々に口の中へとそれを流してこんでいっていた。案の定酔ってき出したAはしゃくり上げながらつまみを口にする。
「ほどほどにしとけよォ」
「はーい」
呂律が回っていない舌で返事をする。
間で何回か水を飲ませ、俺と軽く酒で喉を潤した。
「実弥の顔の傷ってどうしたの？」
そんな質問に数年前刃物を振り回した犯人を捕らえる時についた傷と答えてやる。いくつか入ったこの傷に、怖がる者は多い。
だが、Aは何も気に留めてないのか「名誉ある傷なんだね」とニコニコと笑っていた。怖くないかィと今度は俺が質問をする。
「どうして？とても優しい顔をしているよ」
俺自身を見てくれる彼女に胸が躍らされてしまう。
居酒屋を後にして、家までAを送るべく彼女をタクシーに乗せて自分も乗った。最寄り駅まで向って、歩きながら彼女の家まで向かう。
フラフラとしているものだからついには電信柱に頭をぶつけてしまっていた。危ねぇと今日何度目になるか手をとって、握る。
後ろをボケっとついてくるAが家の前に来ると立ち止まって中に入ろうとしなかった。着いたぞと声をかけても、うんともすんとも言わない。
「時間欲しいってどういうこと？」
「……………。それは……」
「…………私、自惚れてもいいの？こんなに優しくしてくれるのも、今日のことだって、全部」
私のことが好きだからそうなんだって。
紡がれた言葉を塞ぐように、手首を引っ張り引き寄せる。綺麗に色づいたその唇に、自分のものを押し付けた。
ん…と小さく吐かれた吐息に、すぐに唇を離す。
酔っていたはずのAは顔を真っ赤にさせて
「え？」と呟いた。目に滲んでいる涙が瞳を潤している。
「…………これだけは待てなかったァ」
だが、お前に気持ちを伝えること、それだけは待っていてほしい。曲がりなりにも、お前は弟の大切な友人だ。そんなお前を好きになった俺は、玄弥に言わなければならない。
【お前の友達を好きになった】
そう伝えなければ、ならない。
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています！！よろしくお願いします！！ (2021年1月24日 9時) (
レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます！そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます！映画館のくだり〜！ありがとうございます！！キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます！！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます！単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです！！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして！初コメです！以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです！更新頑張ってください！陰ながら応援してます！！ (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2021年1月14日 18時
