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走って街の公園までやってきた。
息切れをする私を見かねた彼は、近くの自販機で水を買ってくれ私に飲むよう勧めてくる。頂いた水で喉を潤し、息を落ち着かせる。



「…………あの、」

「…………」

「ごめんなさい、私違う場所伝えてて……」



アーチ型のバリケードに座る実弥に、先にそのことについて謝った。彼は「めちゃくちゃ探した」と一言言っては大きなため息を吐いた。


そんな彼を見て、嬉しく思ってしまう私は心底彼に惚れているんだと思う。顔を上げた実弥に、「私、伝えたいことがあるの」と目を見て話す。



「………いや、」

「え」

「それは待ってくれ。時間が欲しい」



好きだと言おうとした私の言葉は伝えられなかった。どうして時間が欲しいのか、わからない私は頭に疑問符を付けてばかり。だけど、その時間を待てば、私の告白を聞いてくれる。そう思った。



「………で、どっか行くか」

「うん、行きたい!」

「じゃあ行くかァ」



先を行く実弥の後を追って、隣を歩く。

ん、とぶっきらぼうに放たれた一言と手に私は遠慮なしにその手を握らせてもらった。手汗は大丈夫だろうか、そんな不安を感じつつもしっかりと握られた手を離そうとは思わなかった。


こうして街を歩く私と実弥は、周りから見たらどう思われているんだろう。ただ仲のいい男女?それとも、恋人同士に見えているだろうか。



「ほらよ」

「ありがとう」



ショッピングセンターを見回ったり、ゲームセンターで一緒にゲームをしたり、どうでもいい話に二人で笑ったり。私はこの人といるのがとんでもなく好きで落ち着くと改めて思った。




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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 不死川玄弥   
作品ジャンル:アニメ
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2021年1月14日 18時

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