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「ほんとむり……」
自宅に帰り、頭を抱えた。
しかしながら、もう一度頷いて了承してしまったからには行かなければならない。やだ行きたくないと思いながら時間だけがすぎていこうとしていく。
ピコピコと鳴り響いたスマホを手に取ってみると，実弥からだ。3週間近く会えず、LINEだけのやりとりになっている。あぁ、デートならば彼と行きたかった。
送られてきた猫の写真を見て、可愛い！と送る。
足元に寄ってきた愛猫がにゃあと鳴きながら膝の上に乗る。その子にも猫の写真を見せると、ペタと足を画面に乗せた。
再び送られてきたメッセージを確認して、「嘘でしょ」とさらに頭を抱える。3週間会えなかった理由の一つに、休みが合わなかったことがある。夜にバイトを入れていたり、私が休みの日、彼が夜勤明けであったり。
【突然で悪い。明後日、予定空いてるか？】
その日がまさに山崎くんとの自称デート。
断りたいのに断れば彼はめんどくさいことを言い出しそうで断れない。だけど実弥と会える機会を無くすのも嫌だった。
「(………実弥は、私のことどう想ってるんだろう)」
私が他の男の子とデートをすると言ったら、彼は一体どう思うだろうか。気づけば通話ボタンを押して、初めて彼に電話をかけていた。すぐに出た電話に、彼はいつものように「よォ、どうした」ととてもいい声を発した。
「明後日……」
「あァ……、わざわざ電話じゃなくても」
彼の言葉に「予定があるんです」と遮った。
彼は「そうか」と少し落ち込んだような返事をする。本当は実弥と会いたいの。だけど、そうは伝えない。
「その日、私大学の男の子と出掛けるんです。誘われて、断りきれなくって」
「………は？」
「…………実弥がどう想ってくれてるか、知りたい。だから、もしも私のことなんとも想ってくれてないんだったら、来なくていい。ただ、少しでも私のこと思ってくれてるんだったら、明後日……」
ーーー来て欲しい。
それだけ、言い切った私は実弥の返答を聞かぬまま電話を切った。そして、ポフッと目の前の猫のお腹に顔を埋めた。
自分でもこんなやり方狡いと思う。だけど、こんなことでしか、実弥が私のことをどう想ってくれてるのか知れない。それもまた悔しかった。
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています！！よろしくお願いします！！ (2021年1月24日 9時) (
レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます！そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます！映画館のくだり〜！ありがとうございます！！キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます！！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます！単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです！！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして！初コメです！以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです！更新頑張ってください！陰ながら応援してます！！ (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2021年1月14日 18時
