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隣を歩く実弥が足を進めるままに私も進んでいると立体駐車場までやってきた。なんで駐車場?と思っていると、彼は車の鍵を出して「まだ時間あっけど、どこか行きてぇ場所あるかィ」と車を停車させている場所まで案内した。



「か、カッコいい……っ」



車を走らせて数分。

異性の運転する車に乗ったことが今までになかった。感動した。歓喜した。私の視線は隣の彼に向けられていた。赤信号で停車させた実弥は、気まずそうにこっちを向き、「別に普通だろ」と言う。



「つい、心の声が漏れてしまった……」

「なんだそりゃ」



ははっ、と笑う実弥に笑顔いただきましたと心の中で優勝BGMを流す。海岸線を走る中、海辺でサーフィンをしている人たちを眺めた。寒いのに、海に入れてすごいなぁと感心していると、駐車場に車が入っていく。


車から降りて、海辺を二人で歩いた。

「もっと別のところじゃなくて良かったのかァ」と潮風に吹かれた髪を押さえながら聞いてくる彼に「うん!」と連れてきてくれてありがとうと添えた。



「実弥は、どうやったらもっと笑ってくれる?」

「は?」

「もっと、笑った顔が見たい」



二人で貝殻拾いを始めて、暫く経った頃、聞いてみた。突拍子もないことを聞いてきたから、戸惑っているのか答えがなかなか出てきてくれないようだ。


探していた顔を上げて、首を傾げ口角をあげる。彼は考えるように口に手を当てて、「あ"ぁ…!」と顔を下に一度向けた。



「じゃあ、てめぇが俺を笑わせろよ」

「うーん、それは私なりに結構考えたの。でも、頑張ります」

「最近は割とAといる時は表情筋緩んでると思うぜ」



もうそんな嬉しいことを言ってくれて。
私、単純なの。貴方がそう言ってくれるだけで簡単に笑顔になれるんだもん。


その言葉が嘘じゃないって、優しい顔をして顔を綻ばせている貴方を見ていればすぐにわかっちゃうよ。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 不死川玄弥   
作品ジャンル:アニメ
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2021年1月14日 18時

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