兄が過保護すぎる【北信介】

2話 ページ2

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学校に近づくにつれ、ちらほらと稲荷崎高校の生徒をみかける




そして、









『………』








めっちゃ視線を感じる。









その理由は勿論わかる。








「…なんや？」







信ちゃんのせいや、絶対。







だってバレー部の主将だし、信ちゃん優しいしかっこいいから絶対学校でモテてるんだと思う。




いつもそんな感じの質問すると「そんなことないで」って言う。



私には本当のこと言うまで聞いてくるくせに！！！



それでそのモッテモテの信ちゃんの隣にいる私はなんだと思われてるんだろう、ファンに殺されるのでは




「さっきからどした…？」




私信ちゃんとあんま似てないってよく言われるから彼女にでも見えてるんかな




『信ちゃ……お兄ちゃんってさ、周りの友達とかに妹いるって言ったことある？？』


「？おん、兄弟とかいるんか聞かれた時はいるって言っとる」


『そっかぁ、ならよかった』


「？」



よく分かっていない兄の隣で私は安堵する。



お兄ちゃんはよく周りから一人っ子だと思われてるらしい、残念、上も下もいるもんね。



そんなことを1人で考えていると、ふと兄が言った




「…別にいつも通りに呼んでくれてええんやで？」


…兄が言っているのは、きっと私が兄に対する呼び方のことだ。



『……お兄ちゃんって呼ぶ。』




私は普段、兄のことをおばあちゃんと一緒で信ちゃんと呼ぶ。お兄ちゃんと呼ぶ時もしばしば、



学校などではお兄ちゃんと呼んでいることが多い。



流石の信ちゃんでも高校生になってまで信ちゃんなんて呼ばれるのは嫌かなと思う。


本人は全然気にしないって言うけど周りはどう思うかわかんないやん…！


私達はおばあちゃんっ子で、私は小さい時からおばあちゃんの真似ばかりしてた

だから信ちゃん呼び。




そんなこんな色々話して、気づいたら学校。少しばかり入学式の緊張を忘れていた






『じゃあね、お兄ちゃん、』


「おん、頑張ってな、ちゃんと聞いとる」


『あはは…』






そう言えばいってませんでした。






私、新入生代表挨拶やるんです。






あっ、こう見えて私頭ええんやで？(ごめんなさい)









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