緑の蔦の眠れぬ森（Katsuki.M） 1 ページ35
矢花に彼女が出来た。
それで、ようやく気付いた事がある。
矢花とは中学からずっと寮が一緒で、兄弟みたいに育った。
俺の方が一個上だから、高校に上がる時と大学に上がる時一年ずつ離れたけど、あとはずっと寮で同室で。
一緒に居るのが当たり前だった。
大学に入ってすぐ、女の子に告白された。
ずっと男子校だったからそんなの初めてだった。
嬉しくなって思わず頷いたけど、その子はすぐに悲しげな顔をするようになった。
「ホントにわたしの事好きなの？」
毎日泣きながら聞かれるようになって困ってきて
「わかんない‥」
とうとうそれを口に出したらものすごい勢いで怒られた。
初めての彼女とは、それで終わった。
それからも定期的に女の子がニコニコしながら寄ってきてくれた。
ありがたい事にみんなかわいい。
嬉しくなって俺もニコニコするけど、ニ週間も経つとみんな怒りっぽくなる。
なんでだろう？
みんな言う言葉は決まってる。
「わたしの事ホントに好きなの？！」
好きだと思ったから付き合い始めたんだけど、
面と向かってそう言われると、分からなくなる。
女の子って柔らかくて優しくて、ふわふわしたモノかと思ってた。
どうしてみんなそんなに怒るのかな。
俺が悪いのかな。
それともまだ「運命の人」ってやつに、出会えてないだけかな。
溜息混じりに矢花に愚痴った事もあるけど、矢花は困ったように笑うだけだった。
そのうち矢花はコソコソと夜に出かけるようになった。
彼女が出来たのかな？
最初はそう思ってたけど、夜しか出かけない。
それにあんまり笑わなくなって。
幸せそうには見えなかった。
なんか‥心配だな。
そう思ったけど干渉されたくないだろうし、そっとしておくことにした。
しばらく経った頃、寮に遊びに来るようになった女の子がいた。
優しくてぽわぽわして。
こんな女の子なら俺の事怒らないでいてくれるのかなって思った。
嶺亜と琳寧には俺に似てるって言われて。
かわいいな、って思ってたから嬉しかった。
でもすぐに、その子は矢花の事が好きなんだって気付いた。
俺は散々鈍感だって言われるけど、意外と人の事ならわかる。
特に、矢花が絡むと勘が働く気がする。
その子に矢花が好きなのかカマかけたら真っ赤になってた。
でも意外と芯の強そうな子だから
こんな子が矢花のそばにいてくれたら安心だな、って思えた。
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りぷる(プロフ) - ^_^さん» コメントありがとうございます！嬉しいです♪ 女の子がお相手のお話、また書きたいなぁと思っていました！続編になるか、別の設定になるか分かりませんが、ちょっと大人な感じも混ぜながら書いてみたいと思います。気長にお待ちいただけると嬉しいです♡ (2022年5月19日 18時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - こちらも読ませて頂きました。どのお話も素敵でした。みんならしさがでていて、楽しかったです！このお話達の続きも読んでみたいし、裏のお話も描いて頂けたらとっても喜びます(*^^*)ご無理の無い範囲でお願いできたら嬉しいです。 (2022年5月19日 14時) (レス) @page43 id: b1e5679418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2022年2月26日 16時
