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「か、からかわないで‥」
「からかってないよ、別に。笑」
「絶対からかってる！笑ってるし！」
わたしの言葉にいつものように笑う嶺亜くんに、それ以上何も言えなくて悔しくなる。
さっきのキスも、きっと犬とか小さい子に対しての挨拶のような軽い感じのキスで、
深い意味なんてなさそうなのに、
自分は全然いつもの自分じゃいられなくて。
わたしはいつまでもドキドキして。
『何もしないんじゃなかったの？』なんて口では言っておきながら、
本当は胸が高鳴って仕方なかった。
「A、たいていニコニコしてるし、いつもきちんとした格好してるから
腫れぼったい目してたり髪ボサボサになってるの見ると、逆にかわいいな、って思う」
嶺亜くんはそう言ってわたしの髪を直すように触れた。
「あいつはそういうの、見せてくれなかったからさ。
そういうのなんも見せないで居なくなっちゃった‥
なんも言わないでさ‥」
遠い人を見つめる、遠い瞳。
わたしはなんだか胸がぎゅっとなって
慌ててその人をかばうように言った。
「綺麗な自分を覚えていて欲しかったんだと思う。きっと」
「たぶん、ね。そうかなっては思うよ。
でもさ。あいつが本当に思ってたことなんか、もうわかんないの。
どんなに想像したって、どんなにわかりたくたって。
もう聞けないんだよ。死んじゃった人には」
胸が痛い。
わたしはなんて馬鹿なんだろう。
嶺亜くんが笑ってくれたから、どこか安心してしまっていた。
そんな簡単に癒える悲しみなわけないのに。
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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています（照）拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです！ (6月28日 2時) (
レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです！これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2023年6月21日 20時
