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さっきまでの息苦しさが消えて、苦しい、なんて言ってしまったことが急に恥ずかしくなった。
それを誤魔化すように笑いかけたのに、嶺亜くんはまだ心配そうな顔をしてわたしを見ていた。
「大丈夫だよ。もう」
覗き込んで見上げた嶺亜くんの唇の色が白っぽく見えて気にかかる。
「ただちょっと‥気持ちよくて、胸がギュッとなっただけ。
‥大丈夫。わたしは。
ちょっとくらい雑に扱っても、壊れない自信ある」
頑張って平気な顔で笑いかけたつもりなのに、嶺亜くんは俯いたままで首を振った。
それから小さくため息をついた後にわたしの頬を撫でた。
その手が少し、冷たいような気がした。
「‥俺って情け無いヤツかな。
ずっと自分のことメンタル強いって思ってたのに、
もうなんも怖くないって思ってたのに‥
Aが苦しそうな顔するの見たら、なんか怖くなった‥」
「もう平気！ごめんね、心配かけちゃった？」
今度は上手く笑えた気がする。
嶺亜くんはようやく少し顔を崩して、呆れたように唇の端を上げた。
「Aって付き合ってた男クズばっかだろ。
そうやって男を甘やかすから男が調子に乗るの」
いつものような口調に少し安心しながら、嶺亜くんの髪に手を伸ばした。
目にかかった前髪を退けようと伸ばした指を、嶺亜くんの指が絡め取って、手を握った。
それがなんだか嬉しくて。
繋いだ手をギュッと引いて、、そのまま自分の胸で嶺亜くんを包むように抱き寄せた。
それからゆっくりと、嶺亜くんの丸い後頭部の髪を撫でた。
「馬鹿だねーA。そうやって甘やかしてたらどんどん男はつけあがるんだから。もっと自分が優位に立つ方法考えないと」
揶揄うような口調だけど、なんだか優しい、掠れた声だった。
「優位になんか立てなくてもいいよ。ただ好きな人のそばに居られたら、それだけで」
「だから、そういうとこだって」
「‥わたしウザい？」
「うん‥」
「それ、思ってても言わないんだよ、普通。笑」
「Aのそういうとこウザい‥
けど‥安心する。そういうとこ」
「ごめんね」
「なんでAが謝んの」
「嶺亜くん、手、あったかくなったね」
「ん‥A、あったかい」
「うん‥」
その夜、ふたり、手を繋いだまま眠りについた。
続く
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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています（照）拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです！ (6月28日 2時) (
レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです！これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2023年6月21日 20時
