............ ページ34
「ずっと想像してたよ。
Aがどんな声出すのかな、って」
ゆっくり、ゆっくり、唇が這うように触れるたびに、身体の奥がギュッとせつなくなってゆく。
嶺亜くん‥
恥ずかしくて目を合わせられなくて。
露わになってゆく身体をもじもじと隠そうとするのに、
あっさりと下半身に纏っていた最後の布地が解けて、わたしを隠してくれていたものは何も無くなった。
「は、恥ずかしい‥」
わたしの言葉に、嶺亜くんは声を出さずに目だけを細めた。
「かわいい、A‥」
「A、いい子だからいっぱい触ってあげる」
胸の先に触れたかどうかわからないくらい優しく唇が触れて。
ぴくん、と身体が反応してしまう。
嶺亜くんはそれに優しく目を向けてから、
わたしの身体の輪郭を確かめるように何度も全身を手でなぞった。
快感が、静かに訪れてわたしを侵食していった。
さざ波のように、優しく、何度も。
いつもの憎まれ口や悪戯ばかりの嶺亜くんからは想像出来ないような繊細な愛 撫に戸惑う。
「こっちも触っていい？」
嶺亜くんはそう聞きながら、返事を待つ前にわたしの一番柔らかい箇所に触れた。
「A、もうトロトロじゃん」
恥ずかしくてたまらなくて‥思わずまた顔を覆った。
「隠すなって。笑」
覆った手は熱い唇であっさりとこじ開けられた。
「全部見せてよ、Aの可愛いとこ」
再び訪れた花束のようなキスを受け止めているうちに身体の力がだんだんと抜けていく。
「聞こえる？これ」
わたしの柔らかな箇所が嶺亜くんの指で何度も押し戻されたり解放されたりするたびに、水音が激しくなる。
恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなくて。
もう許して、という言葉を口にしかけて、
薄暗い部屋の中にそれを何度も溶かした。
何もかもを受け入れたかった。
大事な人を失って傷ついた瞳のまま生きていた嶺亜くんが、
誰かを必要としているなら。
自分が嶺亜くんを満たす一部になれるなら。
わたしのすべてを差し出したかった。
ぐちゅり、と響く音が羞恥の心を余計に膨らませて、
もう昇り詰めてしまいそうで息が荒くなる。
「待って‥れ、あ、くん‥待って‥」
自分を繋ぎ止めていられそうになくて、結局はそう懇願した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています（照）拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです！ (6月28日 2時) (
レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです！これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りぷる | 作成日時：2023年6月21日 20時
