......... ページ21
「わたし、そろそろ自分の家に帰ろうかな‥」
「なんで？」
「なんで、って‥」
「駄目。俺もう抱き枕無いと眠れないもん。
俺をこんなカラダにしたのAなんだから、責任取ってよ」
「何それ‥」
嶺亜くんはいつものようにけらけらと笑ってわたしを揶揄った後に、ふと急に真面目な顔つきになった。
「まあ、でもホントに帰りたいならいいよ。
バナのことで遠慮してんなら気にしなくていいけど」
急に自由にしていい、と言われて戸惑った。
今までギュッと握られていた手をいきなり離されたようで、不安になってしまう。
思わず涙目になっていたかもしれない。
嶺亜くんは俯いたわたしの顔を覗き込んだ。
「ちゅーする？‥Aしたい？」
まるでご機嫌を取るように提案されたその言葉に、堪えていた涙がぽろり、と落ちた。
「うん‥」
「なんで泣くの。笑」
思わず零れた涙を拭うように、嶺亜くんはわたしの目尻に口付けた。
「しょっぱ。笑」
「うん‥ごめんね‥」
「泣くなって」
嶺亜くんは、いつまでもぐずぐずと涙を浮かべるわたしの頭をずっと撫でていてくれた。
何度も唇を重ねては、その度わたしの顔を覗き込んで
「いい加減泣きやめ」
と言ってわたしの鼻をつまんで、また頭を撫でた。
その夜、嶺亜くんの胸の中でいつのまにか嶺亜くんより先に眠りについていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています（照）拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです！ (6月28日 2時) (
レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです！これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りぷる | 作成日時：2023年6月21日 20時
