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「膝の上に乗って」

「えっ!‥お、重いよ‥!」

「知ってる。笑」

「‥‥!」

「冗談だって。笑。すぐ間に受ける」


戸惑っているうちに、ぐい、と腕を引かれて、バランスを崩して嶺亜くんの上になだれ込んで全体重を預けてしまった。


身体を離そうとしても離してはもらえなくて。


慌てるわたしをけらけらと笑った後に、嶺亜くんはゆっくりとわたしの胸に顔を埋めた。



「いいよ、重くて。

重いのがいい。生きてる重みだよ」



嶺亜くん‥


その言葉に何も言えなくなって、胸の中の嶺亜くんをそっと抱き寄せた。



「ちゅーする?」


わたしを見上げながら頬を撫でる優しい手の感触に、逆らえるはずもなくて。


「う、うん‥」


潤んだ目を誤魔化す余裕も無いまま、ただ頷いた。



それから嶺亜くんは結んだ唇をわたしに見せつけるように向けてきた。


「ん」

「‥えっ?」


‥これって、わたしからしろ、って意味?


「また『えっ』って言う。笑」


戸惑うわたしにニヤリと笑って、手を広げて唇を見せつける様子は、どう考えてもわたしをからかってるように思えた。


‥嶺亜くんって、絶対、Sだ。

わたしが困ってる顔見て喜んでる‥!


そんな風に思っていても、やっぱり嶺亜くんに逆らえなくて。

恥ずかしくてたまらなかったけど、そろそろと唇を近づけた。


その途中、ニヤニヤとわたしを見つめてくる嶺亜くんの視線に気付く。



「ね、ねぇ‥目瞑って‥」

「なんで?」

「なんで、って‥恥ずかしい‥」

「ダメ」

「お、お願い‥」

「お願いしてもダメなものはダメ」

「‥もう!」


嶺亜くんに抗うのを諦めて、意を決してギュッと目を瞑ってから唇を重ねた。


柔らかい、唇の感触。


恥ずかしくて。愛おしくて。気持ちよくて。

なんだか頭の中が蕩けていきそうだった。



「A、とろとろじゃん‥

キスしただけでそんななる?」

「だって‥

気持ちいい‥から‥」


嶺亜くんは顔をくしゃり、と崩して小さく笑った。


「また笑う‥」

「‥俺も」

「えっ?」

「‥なんでもない。笑」

「えっ?今なんて言ったの?」

「‥お前、今の絶対聞こえてただろ!」



そんなふうに戯れながら、

その夜、何度もお互いに唇を重ねてから眠りについた。

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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています(照)拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです! (6月28日 2時) (レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです!これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぷる | 作成日時:2023年6月21日 20時

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