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嶺亜くんに『そういうこと』したくないと宣言されて数日。


相変わらず夜は同じベッドに眠って、

時々、小さくキスをした。


でもそれは全然色っぽい雰囲気のものではなくて、

小鳥がついばむような、かわいいキスで。



「わたしって色気無いのかな‥」

「なんで?」

「なんで、って‥」


こんなに毎日一緒にいて触れ合っているのに、そんな雰囲気にならないのって、わたしに魅力が無いからなのかって‥

そう思っていることを嶺亜くんに上手く伝えられるかわからなくて口篭った。


ヘッドボードに寄りかかってスマホでゲームをする嶺亜くんの横顔をそっと見つめて、

それから意を決して、ずっと考えていたことを、口に出してみた。




「ね、嶺亜くん‥。わたしのこと、利用してもいいよ‥」

「利用って何」

「えっと‥その‥嶺亜くんの忘れられない人の代わりにしてもいいっていうか。

わたしじゃ代わりになれないかもしれないけど」


嶺亜くんは呆れたようにわたしに目を向けた後に、目尻を少し揺らした。


「Aはホント馬鹿だねー。

そういうことすんな、って言っておきながら何で自分のことは差し出そうとすんのさ」

「えっと‥うまく言えないんだけど。

嶺亜くんがさみしいな、って思った時とかその人だと思って扱っていいっていうか」

「何それ。訳わかんないんだけど」

「えっと‥」


思いをうまく伝えられずに俯いたわたしの頭を、嶺亜くんは、ぽん、と撫でた。


「Aを誰かの代わりにしようと思ったことないって、前にも言ったじゃん」


その優しい声に、自分の提案が急に恥ずかしくなってシーツに顔を埋めた。


‥よく考えてみたら、今の発言、誘ってるみたいだよね‥


なんであんな風に言っちゃったんだろ‥


顔をあげられないままのわたしを、嶺亜くんが呼ぶ声がする。


「A、おいで。こっち」


まだ恥ずかしくてたまらなかったけど、嶺亜くんに従うように横に座った。



「もっとこっち」


両脚を広げて、脚の間の空間のシーツの上をぽんぽん、と手で叩く音に、また戸惑う。


えっ、そこに座れ、ってこと‥?


おずおずと近づくわたしに、嶺亜くんはまたびっくりするようなことを言ってきた。

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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています(照)拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです! (6月28日 2時) (レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです!これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぷる | 作成日時:2023年6月21日 20時

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