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「あ、聞くの忘れてた。

‥ちゅーしていい?」

「‥した後に聞く‥?」


ますます恥ずかしくなって俯いたわたしを覗き込むように見上げて、嶺亜くんは優しい目で笑った。


それから、そのまま身をかがめるようにしてわたしの胸にそっと頬を寄せて、小さく呼吸した後に、ゆっくりとそこに顔を埋めた。



嶺亜くん‥。


予想してなかったその行動に、わたしの心臓はドクン、と音を立てた。


毎日抱き枕のように嶺亜くんに抱えられながら眠っているけれど、こんなふうにわたしのほうが抱き留める形になるのは初めてだった。



胸が高鳴って仕方なくて。

嶺亜くんにわたしの心臓の音を聞かれているような気がして、恥ずかしくて必死に平気な振りをしようとしたけど、

ドキドキする胸の音は全然鎮まってくれなかった。



自分の心臓の音を感じながら、そろそろと腕を伸ばして、嶺亜くんの後頭部にそっと触れた。

柔らかな髪を撫でていると、胸の中で呟く声が聞こえてきた。



「A、駆け引きとかしないの?」

「えっ?駆け引き、って?」

「こういう時、女の子って最初は『待って』とか『嫌』とか言っとくもんじゃないの?」

「い、嫌じゃないから‥」

「‥かわいすぎでしょ、A」


嶺亜くんは少し笑ってから、服の上からわたしの胸の膨らみに軽くキスをした。


「‥やっぱりやる?」

「えっ!えっ?‥えっと‥」

「‥冗談だって。

Aはそんなのしなくてもいいの。俺の抱き枕なんだから」




そう言って嶺亜くんはベッドの上に横になって目を閉じた。

それからいつものようにわたしを胸の中に押し込めるようにして、すうすうと寝息を立て始めた。


わたしの高鳴った胸の音を置き去りにして。

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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています(照)拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです! (6月28日 2時) (レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです!これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぷる | 作成日時:2023年6月21日 20時

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