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朝ご飯代わりの牛乳とオレンジジュースをふたり並んで飲んでいる時、ふと嶺亜くんが聞いてきた。
「今日は?仕事は?」
「午後にフルートのレッスンあるよ」
「何時まで?」
「18時には終わるかな」
「‥‥」
嶺亜くんは、ちろ、と意味ありげにわたしを見た。
えーと?
もう一度意味ありげにわたしを見る嶺亜くんの目に、『わかるだろ?』って書いてあるような気がする。
‥これって今日も来いって意味?
「‥今日も泊まりに来ていい?」
おそるおそる聞いてみると、嶺亜くんはマンションの鍵と思われるカードキーをわたしに差し出して
「失くすなよ」
と言ってどこか満足気な表情をした。
「フルート持ってきたら?バナの部屋防音効いてるから夜中じゃなきゃ吹いていいよ。
あと着替えも。ボイトレとバンド練はウチからのほうが近いだろ」
えっ?それってずっと居ろってこと?
戸惑うわたしの視線に気づいて
「何?不満?」
と、嶺亜くんの方が不満げな顔をした。
「じゃあ‥バナさん戻ってくるまでね」
「別に?あいついても気にすんなよ」
「気にするよ!」
「なんで?お前ら仲良いじゃん」
「そういう問題じゃなくて‥」
「どういう問題?
いいじゃん。別に。えろい声聞かせるわけじゃないし」
「えっ」
「何赤くなってんの?笑」
なんだか上機嫌な嶺亜くんに逆らえないまま、その日の夜、大きな荷物を抱えて、もう一度嶺亜くんのマンションを訪れた。
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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています(照)拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです! (6月28日 2時) (レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです!これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぷる | 作成日時:2023年6月21日 20時