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しばらく歩いたところでふと気づいた。
あれ？この道さっきも通った？
内心パニクってるけど、それを嶺亜くんに見破られたくなくて平然としたフリをしてたのに、背後から楽しげな声が聞こえてきた。
「もしかして迷った？」
「‥‥」
「さっきから何回も同じ道通ってる。笑」
「‥嶺亜くんなんで教えてくれなかったの？」
「Aが鬼みたいな顔して必死になって俺のこと引っ張ってんのが面白かったから」
「‥‥‥！」
わたしをからかって大きく口を開けてケラケラと笑う姿はいつもの嶺亜くんで。
それになんだかホッとして、自分もちょっとだけ笑った。
「嶺亜くん、大丈夫？具合悪くない？」
嶺亜くんはわたしの問いには答えずに
「ちょっと休憩」
と言って閉店後の洋食屋さんの順番待ち用の椅子にどさり、と腰掛けた。
「あ、水飲む？買ってくるね！」
アルコールを水で薄めた方がいいと思ってそう言ったけど、
嶺亜くんはぐい、とわたしの腕を引っ張って隣に座らせた。
「いいから黙って座ってろ。
ひとりで行ったら迷子になんだろ」
ちょっと怒ったように言った後に
「どこまで健気なんだよ‥」
横を向いてぼそり、と呟いた。
それから
「俺が買ってくる」
と言って立ち上がった。
「あ、じゃあ一緒に行く」
「‥どんだけ？笑」
わたしの言葉に吹き出したように笑いながら、今度は嶺亜くんがわたしの手を引いてくれた。
ゆっくりゆっくりと手を繋いで歩きながら
自販機やコンビニの灯りを探してふたりで歩くのは
星巡りの小さな旅をしているようで、なんだか楽しくなってきて
さっきまでのバーでのいざこざも嫌な気持ちも、だんだんと遠くなっていくような気がした。
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りぷる(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます♡楽しみにしていただいてるとのお言葉、とても嬉しく舞い上がっています（照）拙いお話ですがまた読んでいただけると嬉しいです！ (6月28日 2時) (
レス) id: fcab587f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - いつもお話楽しく拝見させていただいてます。毎回の更新が日々の楽しみです！これからも主様の素敵なお話読むことが出来ることを楽しみにしています(*^^*) (6月28日 0時) (レス) @page4 id: 90b9db811a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2023年6月21日 20時
