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yu side
優「…」
間違ってなんかない。
私は、ずっと奨が好きだったんだもん。
運命は偶然じゃなく必然だ。
ならばこうなるのも決まっていた。私は悪くない。
そう思っても、苦しくて仕方ない。
きっと奨は、Aに告白したんだろう。
もしかしたら、Aは、奨を選んでいるかもしれない。
その可能性に期待している自分がいた。
Aに合わす顔がない。けど、Aには、ちゃんと言わなきゃいけない。
prrrr…
『もしもし、佐倉です。』
優『私だけど、今大丈夫?』
『うん、大丈夫だけど、どうしたん?』
優「どうしたって,わかるでしょ?この前のこと…」
優「なんで,私のこと、責めないの」
『なんでって、責めることないやんか。』
『むしろ、うちの方がごめん。』
『優ちゃん気持ち知らず、勝手に…』
優「何それ、だって手紙入れたの、知ってたし、」
『まあ、それはタイミングよね。だから、どうとか思わへんよ』
違う…なんで、そうなるの,
“Aは、お前を責めないよ。”
優「違う、A、違うんだよ,本当はっ」
『優、』
『うちは、うちのために、見てみぬふりしてるから、言わんといて』
そう言って、彼女の声は寂しそうに笑った。
優「もう、一生一緒なの?それで良いの?」
『色々喋るなあの人も』ハハッ
『…自分で選んだもん、良いよ。』
『最後に青春できてよかった。』
『本当にありがとう。これからも私たちと仲良くして!』
違う、そうじゃない、そうじゃない…
優「うん。じゃあ、また連絡するね。」
汐恩、汐恩が、Aを好きな理由がわかるよ。
だからって、好きな子を不幸にするなんて、間違ってるよ。
汐恩、なんでここまでして…
嘘までついて、一人ぼっちのフリしてまで、
Aを1人にするの。
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作者名:かきのたね。 | 作成日時:2020年4月5日 1時