木槿のふたり (ページ22)

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照れ屋で優しい人ページ22

「じゃあ正式に、この話を進めてもらうってことで。A、実際にこっちと向こうの連携お願いすることになるけど、いい？」
「はい、了解しました」
「じゃ、各セクション今日はそんな感じで！終わりっ！お疲れ！」
お疲れさまで～す、とみんなが帰っていく。

今日は朝から打ち合わせで、まだ夜の9時。
これで早いぞ！！と思ってる時点で、感覚がこのチームに馴染んできてるのかも。やったー！

「よし、潤、A、3人で飲み行くかッ！」
先輩が、ガシッと松本さんの肩を組みにいく。

「は？正人奥さんと娘待ってんだろ？」
「や、まだ入院中で面会時間も過ぎてるから」

「家帰っても1人なんだよ～寂しいじゃん～」と先輩に泣きつかれたもんだから、なんだか飲みに行かざるを得ない状況になって…。

「わぁ～かった、分かったからその気持ち悪い声やめろ」
「じゅぅうん！お前優しいな！」
「いつもだろ」

また2人でやいのやいの言いあってる姿が面白くて笑ったら、松本さんが「俺、優しい？」って真顔で聞いてきて、その姿に先輩とふたりでまた笑った。

そんなに怖いかなぁ…ってちょっとむくれてる松本さんが、また可愛らしくて。

でも慌てて「松本さんは、優しいです！」と言うと、松本さんはちょっと照れたような顔で笑った。