願事レコード2.

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最寄りの駅に着いて歩き出す。
家まで送るからって北斗先輩も隣を歩く。





北「ねえ、」

「はい？」

北「ずっと聞きたかったんだけど…」





私の顔を覗き込んで






北「本当は、違うの観たかったでしょ？」

「え…」

北「分かるよ。話合わせてくれたんだなって…
本当、ごめん」



何か引っかかっていたのかな。
私、結構なんて事ない素ぶり…
出来たと思ったんだけどな。





北「合わせなくて自分の意見言えばいいって、
俺前にAに言ったのに」

「ごめんなさい…」

北「ばか」





怒ってんのかな、と思ったけどそうじゃなかった。

俺より大人かもな、って笑ってたから。








北「本当は何が観たかったの？」

「洋画…アクション映画、」

北「ふっ」

「何笑ってるの」

北「俺と一緒」




時間合えばまた映画行こう、
チケットもあるしな、って。


ちょっと無理して笑う北斗先輩。









北「近所のじいさんがくれたんだ、これ。
本当はさ………スミレを誘おうと思ってた、」









……なんでいま、そんなことを言うの。


泣きそうになって、思わずそっぽ向いた。
先輩のばか。









北「スミレからここ行こう、とか
誘われる事はあってもさ、俺から誘う事は無いんだよね。
だって普通に考えて彼氏いる奴誘えないじゃん？」

「……」

北「でも、スミレ誘えなかったからって
Aを誘ったわけじゃないから」

「……え？、」







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