公子さんが本当にシスコン過ぎる

独占欲 ページ44

「どういうことかな？？？」



『ひっ、顔が怖いよタルタリヤ！！』



「そりゃ怖くもなるよ。Aが俺以外の男とあんなことやそんなことをしていたなんて…」



『戦闘しただけだよ！！？？』



あの後、魈さまと別れて璃月港に戻ってきた私。



少し泥の付いてしまった私を見て、タルタリヤはどうしたのか聞いてきた。



それでさっきあったことを話したんだけど…。



「いやいや、俺以外の男と出歩くことが問題なんだよ！！なんで俺を呼ばなかったの！？」



もちろん、頭を撫でられたことは話してない。だってタルタリヤ話したらヤバそうだもん。



でもまさか、これだけでもダメだったなんて。



いやまあ、それぐらい私のことを好いてくれてるって事なんだろうけど…。ちょっと愛が重くない？



『だってタルタリヤ、いつもお仕事で忙しそうでしょ？邪魔するの申し訳ないよ』



「ぅぐ……可愛い……けど…次からは俺も行くから！分かったね！？」



『…はーい』



別にタルタリヤがついてくることに不満はない。



不満はないけど…お仕事は大丈夫なんだろうか。



やっぱりあの可愛い部下の人と一緒にいた方が、タルタリヤは……



『……っ』



そこまで考えて、私は顔をしかめる。



なんだろう、胸が痛い。



心臓がぎゅううってなって、少し苦しい。



「ん、どうしたのA？」



急に顔をしかめた私を見て、心配してくれる彼。



でも彼の言う通りだ。



私、どうしちゃったんだろう。



急に胸が痛くなるなんて、少しおかしいかも。



後で胡桃に相談してみようかな。



『ううん、何でもない。とりあえず、忙しいところごめん。お仕事戻っていいよ！』



まだ少し痛む胸を抑えて、私は笑顔を作る。



「そう？了解、またね」



『うん！ばいばいっ』



ほんと何なんだろう、これ。

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