26信頼してあげればよかったこと。 ページ28
当然、レイ以外はただ呆然としていた。
内通者として働いていたレイはママに既にあの時、報告していたのだろう。
「私が8歳のときに、一時期元気無かったの覚えてる?」
エマ「確か、2つ上だったトカが里親に…。」
5人は一斉に閃いたように目を開く。
ノーマン「まさか…A…。」
「ええ。あのとき、門へ行って知ってしまったの。あの小さな頭で、全てを理解するのは……いや、受け入れるのは難しかったわ。」
私は無理に笑って俯く。
ドン「……じゃあレイとAは、あの日コニーがどうなるのか分かっていたのか。
エマとノーマンは俺達を敵だらけの世界へ騙して連れていこうとしてたわけってか。
ハッアハハ…ハハハっふざけんな!!」
ドンがノーマンを殴った。
こうなるのも無理はない。
もし私も同じような手で騙されたら流石に怒り狂ってしまうわ。
あのときママに負けないって誓った。
泣いてばかりじゃダメだって思った。
あれから人前で泣くことなんてなかった。
でもどうしてなのかな。
レイ「おいドン!!」
続けてレイも殴った。
もしかしたら、私みたいに全てを嫌になってしまうかもしれないって思ってしまった。
信じれなくなってしまうかもしれないなんて思ってしまった。
ドン「っ!」
ドンがエマの胸ぐらを掴んで殴ろうとする。
ギルダ「ドン!」
ドン「…そんなに「荷物」なのかよ…。
そんなにお前らにとって俺達は「守ってあげなきゃなんにも出来ない
嘘つく理由くらい分かってるよ。
全て、俺達のためだろ、守るためだろーー?
けどよ。頼ってくれたんじゃねぇのかよって悔しいっつーか、惨めっつーか…。
俺達お前らみたいに出来はよくない…良くないけどよ…
家族だろーー兄弟だろーー少しは信じて欲しいんだよ…!」
そうだ。一番信じてなかったのは私だ。
溢れた涙は私の頬を撫でる。
3人に「信じてあげよう」なんて、言う資格無かったのに。
ママ、あなたでも見抜けなかったのね。
私の弱点はもうひとつあった。
何が非の打ち所のないよ。
私は仲間ですら信用出来ていなかった。
信用しているつもりで出来てなかった。
ドン「…ごめん!
俺ちょっと変だ。頭冷やしてくる。」
ギルダ「ドン!」
私も後を追おうと歩き出したが食堂の入口で足を止めた。
「……。ごめん。私が一番信用なんてしてなかった。それなのに「信じてあげよう」なんて…。本当に…。」
私はそう言い終えると2人を追いかけた。
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あずきぱふぇ@狂愛(プロフ) - キャラが謝罪をw 私は全然いいです!むしろ指かんでんの可愛かったです!(銀時推し) (2021年3月24日 15時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
紅葉桜(プロフ) - Vさん» それは良かったです!!少し事情があって更新停止していてすいません……。これからも頑張ります!ありがとうございます!……ちなみに銀魂はマジで最高です。ぜひ見てください!! (2019年10月30日 18時) (レス) id: e8ee42e7f8 (このIDを非表示/違反報告)
V - 銀魂と約ネバのコラボ作品初めて見ました。私は、あまり銀魂に興味がありませんでした。でもこれを見て興味がわいてきました。ありがとうございます。 これからも更新楽しみにしています。 (2019年10月30日 10時) (レス) id: cb76a0c0de (このIDを非表示/違反報告)
未熟な林檎。(プロフ) - いっちご桜ァァァ!ほんま頑張ろ!いちご桜。のもオモロいよ!! (2019年7月3日 0時) (レス) id: e8ee42e7f8 (このIDを非表示/違反報告)
いちご桜。(プロフ) - 未熟な林檎ちゃぁぁぁぁん!!すっごい面白い!お互い頑張ろうね。 (2019年7月3日 0時) (レス) id: 93be246199 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉桜 | 作成日時:2019年6月30日 12時