全ての始まり〜幸せの崩壊〜 参 ページ17
…
そんなこともあったな。
懐かしく思ってふと口が緩む。
「どうしたのA、いい事あったー？」
「いえ、ただの思い出し笑いです。優希と一年の頃にパンケーキを食べに行ったことがあったじゃないですか」
「もう3年も経つのに！早く忘れてよ〜恥ずかしいから！」
…3年前。パンケーキを食べに行った時、予想外にぷるぷる揺れるそれにテンションが上がった私達は皿をしばらく揺らしていた。
次の瞬間、優希のパンケーキの一番上の層が優希の制服にべったりと…
「あんな失敗したのはあの時きりだからいいの！私は失敗から学べるいい子なので！」
「優希、食べるの綺麗ですもんね。クロワッサンやタルトをお皿の上に崩さずに食べられるのは本当にすごいと思ってます。」
「でしょ！…つまりあの一件はかなり黒歴史な訳でして。」
じとりと横から見つめられて、今度こそ笑いが押さえられなかった。
「あはは！わかりました、もう言いません。ですから、ね？機嫌を直してください。優希が気になってるって言ってた新作アイス奢りますから。」
お菓子につられて上目遣いにキラキラ輝く瞳が眩しい。
この3年で私は身長が伸び、10cm近い差がついていた。優希は入学当初から1センチも伸びないと地団駄を踏んでいたけど。
…そのまま目をそらさずじーっと見つめてくる優希を不思議に思ってこちらも見つめ返す。
「顔になにかついていますか？」
「んーん。私も一年の頃のこと思い出してたの！A結構変わったよね？昔は末っ子っぽかったけど、今は騎士様みたいかも？」
「私も大人になったということですね。ふふ、大人の魅力があるでしょう？」
「後輩からお姉様って呼ばれてるもんねー！Aお姉様ー！」
きゃーと歓声まで再現して、にやにやこちらを茶化してくる。今度はこちらが頬を膨らます番だった。
「謝りますから許してください。どうしてそんなことになったんでしょうか…」
「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花！さらに我が校きっての秀才！憧れない要素がない！私も時々びっくりするし。…でも最近忙しそう。大丈夫？習い事、また増えたんでしょ？」
家族に決定的な亀裂が入ったあの日から、両親は私を様々な習い事に放り込んだ。
曰く
「できることが多くて困ることは無い」
もう言い返すのすらめんどくさくて、言われるがままにこなしてきたけど、最近どんどん増えてきたのだ。
きっと、16の誕生日まで半年を切ったからだろう。
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トイプードル - わー！コメント嬉しいですありがとうございます！これからも更新続けていきますので暖かく見守ってください！ (2019年4月2日 7時) (
レス) id: 3116b53546 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きが楽しみです！これは、みかつるの予感がありそうで嬉しいです！続きが楽しみです！更新、頑張ってください！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トイプードル | 作成日時：2019年3月25日 12時
