私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

31.一つだけ足りないもの ページ31

名前が目を覚ましてから、3日経った。
沢山の人が、名前の目覚めを喜んだ。
沢山の人が、見舞いに来ていた。



米屋「やっほ〜名前ちゃーん、元気か？」

『米屋くん、あ！奈良坂くん、古寺くん！』

三輪隊が顔を出すのはしょっちゅうだった。



『…秀次は…？』

三輪秀次を除いた三輪隊なのだが。


米屋「相変わらず仮想訓練室にこもりきりだ。」

奈良坂「名前のことは伝えてあるし、秀次自身、なにか思うことがあるんじゃないかな？」


『そっか…』


古寺「名前先輩はいつからボーダー復帰するんすか？」

暗い雰囲気が嫌いなのだろう、古寺くんはいつも話題を逸らしてくれる。


『今日、迅…、悠ちゃんと城戸さんのところに行くの、歩くのには支障なかったし、基礎体力が戻ったら訓練始めようと思って！』


古寺「このさい、狙撃手に転向しましょうよ！」

奈良坂「やめとけ、古寺、名前のセンスのなさには驚くぞ」

『なっ！なにを〜〜？！』


米屋くんが大爆笑して、みんな笑って。
でも、一つだけぽっかり穴が空いていた。


コンコン


「盛り上がってるところ悪いんだけどさ〜、名前借りてもいい〜〜？」


『あ、迅。じゃなくて悠ちゃん！』

迅「いい加減どっちの呼び方か定めてくんない〜？」


目が覚めてからずっとこの調子の名前に迅は呆れていた。


奈良坂「城戸さんのところに行くんですよね？お気をつけて、名前のこと頼みます、迅さん」


迅「はいよ〜」



迅と名前は病室を出て行った。

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